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  • 外資系OLサトコ Vol.1

    外資系OLサトコ:VSゆるふわOL!キャリアと男、賢い女が選ぶのはどっち?


    ―あの子と私。一体どっちが、女として賢いの...?

    聡子は、外資系広告代理店で働く27歳。

    周囲が海外経験者ばかりの中、唯一独学で英語をマスターし、意気揚々とキャリアに邁進している。激務も順調にこなし、充実した日々を送る彼女だがー。

    頭の隅では、恋愛や婚活に重きを置き、要領よく人生を謳歌する“ゆるふわOL”に、小さな嫉妬を抱いていた。


    ―とうとう、初の打合せだわ...。

    聡子は昂ぶる気持ちを抑えるように、PCの前で小さく深呼吸する。

    新卒で外資系広告代理店に入社し、はや5年。聡子はこのたび、初めてプロジェクトリーダーに任命されたのだ。

    プロジェクト内容は、外資系化粧品会社のプロモーションだ。明日には、クライアントとの初の打合せを控えている。

    社内で高評価を得るようになり、ここまでキャリアを築くのは、決して平坦な道ではなかった。

    日本語に英語、ときには中国語やフランス語など様々な言語が飛び交う社内。聡子の会社では、ほとんどの同僚が帰国子女や留学経験者だ。

    聡子は、その中で唯一海外経験ナシで入社した。そのハンデを埋めるべく、必死で独学で勉強を重ね、仕事面でもたゆまぬ努力を続けてきた。

    ―あれ…?

    そのとき、意気揚々と打合せの確認を進めていた聡子は、ピタリと手を止める。アシスタントの梨花に頼んでいたはずの会議用の補足資料が、用意されていないことに気がついたのだ。

    「梨花ちゃんなら、もう帰りましたよ。今夜はデートだって。ホラ」

    慌てる聡子に、同僚が冷めた目で壁の方を指差す。その先の時計はピッタリ17時を指していた。そう、梨花は何があろうと定時と同時に退社する主義なのだ。

    甘ったるい香水の香りに、ゆるい巻き髪、鮮やかなピンクのリップを艶めかせる梨花の姿を思い出し、聡子は呆然と立ち尽くす。

    結局、自分の仕事を終わらせたあとで、会議資料をひたすら印刷する羽目になった。

    ―デート、か...。

    仕事に集中しようとしても、胸がザワついて仕方がない。デートなんて、ここ最近の聡子には無縁なのだ。 聡子は深いため息をつくのだった。

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