恋の大三角形 Vol.15

恋の大三角形:「一体、彼のどこが好きなの?」冷静に問われて気づいた、不毛だった恋

東京を生きる女たちは、もう気がついている。

「素敵な男の隣には、既に女がいる」という事実に。

自分が好きになるくらいの男を、他の目ざとい女たちが見過ごすはずがないのだ。

繭子は商社勤務の洋平と付き合って2年になるが、彼からプロポーズの気配はなく、他の女の影をも感じて、彼に嘘の予定を告げ、深夜に我を忘れて洋平を待ち伏せる

繭子は洋平に駆け引きのつもりで「結婚できないなら別れる」と告げたが、あっさり「わかった」と言われてしまう。

別れを受け入れられない繭子は洋平に「もう一度会いたい」とLINEを送るが…。


最後のLINE


−会いたいなんて、言わなければよかった。

ここ数日、何度同じことを考えただろう。

まだ薄暗い部屋で、目が覚めたらまず、洋平からのメッセージの有無を確認する。

どうして返事をくれないの?

最初はただただ、疑問に思った。そして、傷ついた。

しかしその虚しい作業を三日三晩続けたのちに、私の心はもう、痛みすら感じないほど空っぽになってしまった。

2年もの月日を一緒に過ごしてきたというのに、LINEさえ返ってこない。

気軽に連絡を取り合うことさえ、もう許されない。

私にとって洋平は最も身近な存在だったのに、今では世界で一番遠い存在になってしまった。

その現実を、私は受け入れるほかない。どんなに胸が、張り裂けそうでも。


差し込む朝陽につられて顔を上げると、その瞬間、車窓に映る自分が目に入る。

その表情が今にも泣き出しそうで、私は無理やりに口角を上げた。

しかしそんな努力もまた、たった一通のLINEが台無しにする。

メッセージを送ってから4日目の朝、ようやく届いた洋平からのLINE。

そこには、一言だけ、こう書かれていた。

“ごめん。俺たち、もう会わない方がいいと思う”

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