昭和モダンを感じる、銀座の名店 Vol.3

昭和モダンを感じる、銀座の名店

クラシックでありながら新しい。そんな商売の在り方を常に模索させる街です。

Sushi Aoki Toshikatsu Aoki

青木 利勝

すずらん通りの『なか田』で先代の父が修業時代を過ごし、独立から20年を経て銀座に戻った歴史を持つ『鮨 青木』。父の意志を受け継ぐ青木利勝氏は幼い頃からこの街に親しんできた。

「父の思い出の銀座もあれば、もちろん私の銀座だってある」と語るが10年程度のサイクルで巡っていた変化が、この2、3年は特に激しくなったと言う。

「銀座は昔、ファッションも飲食店も一流、いらっしゃる方も一張羅を着て、という街であったんですけど、最近は変わってきています。鮨屋で言えば、『なか田』、『久兵衛』、『与志乃』の時代から二代目、三代目へと移り変わって、最近ではついに回転鮨や立ち喰い鮨の店もたくさんできました。正統であることばかりに、こだわっていてはいけない時代になったんだと思っています。お客様の中には正統的過ぎると疲れちゃうという方もいらっしゃるでしょうし。だから僕自身もそういう時代の流れを頭に入れ、上手にクラシックな仕事も残しつつ、やっていかなければと思っています」

進化を続ける銀座の街。それは青木氏にとって何物に代え難い刺激となる。変わりゆくからこそ、やる気も湧くのだという。
「楽しいですよ。父の頃はツメと醤油だけでしたけど、今は塩も柚子胡椒もあって炙りもある。どこまで柔軟に取り入れるか。どこまで銀座にいらっしゃるお客様の気持ちを損ねないよう、正統を崩していくか、その辺りの塩梅が肝心。長年商売をやっている人の経験とセンスが問われる街、それが銀座なんです」

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