青田買いのスゝメ Vol.7

後輩男から聞かれた「クリスマスの予定」。これって業務連絡?それとも・・・

結婚に適した男は、30歳までに刈り取られる。

電車で見かけた素敵な男は大抵、左手に指輪がついている。

会社内を見渡しても、将来有望な男は30歳までに結婚している。

そうして「青田買い」に目覚めた、大手不動産会社勤務の奈々子(28歳)は、幸せを掴むことができるのか・・・?

新入社員・田中の涙に救われた奈々子。図らずも休日ふたりで出かけるが・・・?


「えー、奈々子ってばそんなに枯れちゃって、大丈夫!?」

奈々子は、久しぶりに大学時代の友人・理沙と『リュファヴァー』で互いの近況報告をしていた。

大学時代から恋多き女だった理沙は、彼氏がコロコロ変わるためアップデートに時間がかかるが、奈々子の場合、「何もない」の一言で終わる。

それを「枯れた」と表現された所で、いちいち反論することさえ億劫だった。

「でも奈々子、デートくらいしてるでしょう?」

理沙が怪訝な顔で奈々子に聞いてきた。恋多き女には理解し難いようだ。

「男性と出かけたのは、昨日会社の後輩とミュージカル鑑賞したくらい。まあ、それも仕事の延長みたいなものだし」

「なーんだ、あるんじゃない。もう少し詳しく」

「ないない」という前置きをしてから、田中との一連の出来事を奈々子が話すと、理沙が呆れたようにこう言った。

「奈々子って本当に鈍感。彼、絶対奈々子に気があるよ」

「えぇ?そんなわけないじゃない、ただの先輩と後輩よ」

奈々子が全否定すると、理沙が笑いながらこう付け足した。

「否定するのは奈々子の勝手だけど。彼はどうかな。万が一にでも告白されたらどうするつもり?」

「えっ…?」

想像もしていなかった質問に絶句していると、理沙がコーヒーを飲みながら呟いた。

「“ない”って思ってれば何も起こらないし、“ある”って思ってたら、ふとしたタイミングで始まるものよ」

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