恋の大三角形 Vol.4

恋の大三角形:深夜2時過ぎ、ようやく既読になったLINE。嫉妬に苛まれた女の狂気

東京を生きる女たちは、もう気がついている。

「素敵な男の隣には、既に女がいる」という事実に。

自分が好きになるくらいの男を、他の目ざとい女たちが見過ごすはずがないのだ。

不動産会社で秘書をしている繭子(29歳)は、商社勤務の洋平(30歳)と付き合って2年になる。

30歳までに結婚を決めたい繭子だが、洋平からプロポーズの気配がなく焦りを募らせている

そんな折、普段と様子の違う洋平に第六感が働いた繭子は、咄嗟に嘘の予定を彼に知らせるのだった。


繭子side−誰と比べているの?


そろそろ寝ようかというタイミングで、電話が鳴った。

「あ、繭ちゃん?まだ起きてた?」

飲んだ帰りだろうか。

タクシー運転手に「東3丁目まで」と伝える声が遠く聞こえたあと、洋平の声が耳元に戻る。

彼はだいたい飲んだ後、皆と別れ一人になったタイミングで私に連絡をよこす。そして私は洋平が家に着くまで、多少気の大きくなった彼の話を一通り聞くのだ。

いつも通り、洋平の一方的な仕事の話に適当な相槌を打っていたら、彼がふいに話すのをやめた。

「ごめん。繭子は仕事の話なんて、興味ないよな」

–繭子、は?

…他の、誰かと比べているかのような言い回し。先日、早朝に届いたLINEに対して抱いたのと同じ違和感に、私の心はずしりと重くなった。

あの時、咄嗟についてしまった嘘。

疑惑の日は、今週末だ。

私が韓国に行っている間(実際に行くのは来週末だが)、洋平は何をするつもりなのだろう。誰と過ごすつもりなのだろう…?

悶々とした思いを口に出そうとしたその時、洋平が急に柔らかな声を出した。

「そろそろ繭子のお誕生日のお店、予約しないとなぁ。繭ちゃんの希望は?何系の店がいい?」

「…ありがとう。私はどこでも。洋平が選んで」

優しい甘い声が耳元で響いて、私は結局彼を追及することも、30歳の誕生日に本当はプロポーズを望んでいることも、言い出せなかった。

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