カマトト狂騒曲 Vol.3

男の価値は、経済力と将来性。「メジャー級でない男に価値は無し」と判断する女子アナの目論見

キャリアも幸せな結婚も、そして美貌も。

女が望む全てのものを手にし、したたかに生きる女たちがいる。

それは、東京の恋愛市場においてトップクラスに君臨する女子アナたちだ。

清純という仮面をかぶりながら、密かに野心を燃やす彼女たち。それは計算なのか、天然なのか。

そして彼女たちはどうやって、全てのモノを手にしようとするのだろう…?

局の絶対的エース橘花凛と同期でありながら、地味枠採用の田口レミ。後輩のカマトト女・木崎翔子と花凛を対決させようとするが自分の敗北を認めることになってしまう...


「今日は真冬並みの寒さになりそうなので、皆様気をつけて、行ってらっしゃい♡」

ふと顔を上げると、花凛が写っている。

愛くるしい笑顔でお決まりの締め台詞を言う花凛を、私はチェック用の画面で見つめていた。


—毎朝、この笑顔に一体何人の男が騙されているのだろうか...


そんなことを思いながら、今日の原稿に目を落とす。

私の担当は、朝10時から始まる主婦向けの情報番組だ。

同期とは言え、花凛とこんなにも差が開くとは...会社員にも関わらず、ここまで“見た目がすべて”の世界も珍しいかもしれない。言うならば、美貌がそのまま給料に直結する世界である。

そんなことを考えていると、朝の番組を終えたばかりの花凛が突然スタジオに姿を現した。

一瞬、スタジオ中がどよめく。

「橘花凛が来たぁぁ!」

普段私に全く興味を示さないディレクターまで鼻の下を伸ばしている。他番組担当のアナウンサーがスタジオに現れるなんて、異例中の異例である。

「久しぶりに、同期のレミちゃんのお仕事風景を見たくなって、お邪魔だと知りつつ、つい遊びに来ちゃいましたぁ♡」

でも、私は花凛がスタジオに現れた本当の理由を知っている。


今日のゲストに、将来メジャー行き有力と言われている野球選手・トオルがいたからだろう。

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