2017.11.01
近年、注目のレストランが続々誕生して、渋谷きっての美食スポットである「渋2」こと、渋谷二丁目界隈。
もしも、1986年に『ラ・ブランシュ』が開店していなかったら、現在の活況はなかったかもしれない。そう思うほどに、この店の存在意義は大きい。 このフレンチが30年も愛される秘訣は、どこにあるのか。
渋谷一のグランシェフの情熱の込もったひと皿を
『La Blanche』
店内は、決して華美ではないが隅々まで磨き上げられた床、真っ白でパリッとしたテーブルクロス、年季が入って風合いの増した調度品といった、空間を構成するさまざまなモノから〝長年きちんと手をかけ続けてきた店〞であることが伝わってくる。
オーナーシェフ・田代和久氏は、御年67歳。まごうことなきベテランだが、常に前向きなエネルギーに満ちている。この日も「最近、初めてハモを扱ってみているんですよ」と、新たな体験にウキウキしている様子。フランス料理で、ハモ?
「そう。ずっとそう思っていたんだけれど、お客さまに〝やらないの?〞って言われたから、翌日すぐ、築地で天草産のを買って。ハモを扱う業者さんもこれまで付き合いのないところだったから、何者か知られていない対応が新鮮だった(笑)。
最初は腹開きも上手にできなくて、なかなか難しかったけれど、ぬめりを落としてから炙って、松茸じゃなくてトリュフと合わせたら、これが旨いんだ……」と、好奇心を大いに刺激されている模様。貪欲に、ひたむきに、がシェフの身上だ。
そんな姿勢を象徴するひと皿が、名物「イワシとジャガイモの重ね焼 トリュフ風味」。もともとイワシが大好きで、いくつものイワシ料理を考えては出していた中で最もリクエストが多く、現在では不動の地位を確立した、田代氏の代表作だ。
曰く「これは、じゃがいもを味わってもらうための一品」。
懐深きじゃがいもに、イワシとトリュフの風味を行き渡らせて、渾然一体となった味わいを楽しむ料理なのだ。故に、じゃがいもの品種は季節ごとに試行錯誤。
5〜6種類を取り寄せては、その時期のイワシに一番合うのはどの味のじゃがいもか?という食べ比べを行っているというのだから恐れ入る。毎日作り、毎日味見することで「僕の味覚をニュートラルにしてくれる料理」とも。
この料理に限らず、田代シェフの料理は、素材を徹底的に見つめることから生まれる。開店から2年間は1日も休まず築地通い。現在でも、週に2〜3回は必ず足を運び、並ぶ食材を見て季節を感じ、触れて感覚を研ぎ澄ます。そして、新たな料理への意欲を、常に掻き立てているのだ。
「初めての素材に出会うと、いつだってドキドキする。何と合わせたら美味しくなるだろうか? もっと旨いものを作りたい! こういう気持ちを原動力にしているから、30年以上店を続けてこられたのだと思います」
ここには、真摯な料理に心打たれる、最上の食体験が待っている。
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この記事で紹介したお店
ラ・ブランシュ
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