はいすぺさんが通る Vol.3

はいすぺさんが通る:商社マンとのお食事会。聞かれるのは年収、家賃のことばかり

容姿、学歴、収入。男のスペックは高ければ高いほど良い。

が、同じだけのスペックを女が持ち合わせたとき、果たしてそれは本当に幸せなのだろうか。

東京にはある一定数、女ながらも男並みの「ハイスペック」に恵まれた層が存在する。

傍から見れば完璧な彼女達には、ハイスペックであるが故の葛藤があった。

外銀で働く楓は、元カレ・敦に偶然遭遇するも、敦の隣に居たのは自分とは真逆のタイプ。職場でも指摘されてしまった通り、「女子力」も世渡りには必須。そう覚悟を固めた楓はお食事会への参戦を決めるが・・・


「楓がお食事会に来てくれるとは思わなかった!一人急に来られなくなっちゃって、本当に困ってたの。ありがとう!」

楓の同期でバックオフィスに勤める瑞希が、驚き半分、ほっとした安堵感半分といった笑顔で楓に笑いかけた。

「ううん、これからどんどん誘ってくれると嬉しいな。」

そう答える楓の表情は、硬い。

「でも本当に今回のお食事会は、すごく良い人達揃えてもらってるから。楓も絶対楽しいと思う!」

瑞希は大学時代からの付き合いで、交際5年目に入るステディな彼氏が居る。

彼女にとってお食事会は、自分の市場価値を定期的に測定する健康診断のようなもので、至って気楽だ。

楓はたまに瑞希の屈託のなさが羨ましくなる。

部門が違うとはいえ、同じ外銀に勤めていながら周囲からのプレッシャーなどどこ吹く風、瑞希は常にマイペースだ。

外銀で、メンタルをやられること無くキャリアを続けられる人種は、大きく2つに分けられる。

自分にかかるプレッシャーを、千本ノックの如く努力と根性で打ち返し続ける楓のようなタイプと、持って生まれた前向きで楽観的な性格を生かし、自分のペースでゆるりとプレッシャーを交わす瑞希のようなタイプだ。

「今回は女の子はもう一人、大学同期で広告会社の子呼んでるの。男性陣は、大学のサークルの先輩だよ。商社にいるんだけど、同期二人に声かけてくれてるって。」

楓はお食事会が以前から苦手で、ほとんど参加したことはない。

以前参加したことがあるお食事会では、男性陣は皆、外銀か外資コンサルだけだったため、全員商社というのは新鮮な気がした。

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