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「エリカさんが広報として成功された一番の秘訣は、何でしょうか?」
エリカは、今日2つ目の取材を受けていた。働く女性向けの有名なサイトである。
広報を任されるようになって丸3年が経ったエリカは、すっかり会社の“顔”である。
メディアの取材をひんぱんにこなす傍ら、経営陣に対しても世のトレンドや業界情報を共有し、頼りにされるようになっていた。最近では “PRマネージャー”の肩書きもついた。
会社の事業は拡大しており、グループ会社の広報も手掛けるようになった。そこでも『PR TIMES』を継続的に使い、広報としての土台を築いている。
「成功した秘訣」の質問の答えを探るべく、エリカは改めてこの3年間を振り返った。
正直最初は、「早紀を超えたい」という一心だった。何かを成し遂げたい、有名になりたい、そんな気持ちもあった。
しかし、試行錯誤しながら成功と失敗を積み重ねていく中で、自分が有名になりたいという気持ちや嫉妬心より、仕事自体の面白さに目覚めていったのである。
「最初は、野心、ですかね。でも目の前にある課題に必死に取り組んでいたらここまで来たと言うのが正直な感想です」
エリカは正直に、そう答えていた。
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「この記事、すごいな。『葉月 エリカが、“伝説の広報”と言われるまで』だって?」
先週の取材内容が早速サイトに上がると、西島がにやにやしながら記事を読んでいた。エリカの業界での評判を聞いたのか、記者がそんな見出しをつけたようだ。
そして西島は読んでいる途中、エリカにこう聞いてきた。
「・・・野心?エリカってどんな野心があるの?」
西島が不思議そうに、聞いてきた。しかし早紀への嫉妬や、西島への想いを口にする訳にはいかなかった。「それは、いろいろです」と濁し、話を切り替えた。
「それより西島さん、マネージャー昇格祝いに、ご飯連れてってくださいよ」
そう言ってエリカがにっこり微笑むと、西島は「しょうがないな」と言って帰る支度を始める。
―今はもう、広報として会社に貢献できてるはず。・・・そろそろ、いいよね?
西島はあのあと結局、早紀とは別れたようだ。
エリカはどうしても諦めきれないこの気持ちを、西島に伝えようと思っていた。
―Fin.
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