東京美食MAP 10の街 青山、通のための和食 Vol.1

ユウキュウ

悠久

都会にあって山の風が吹く。クセのない和風ジビエ料理

左.店主の吉岡氏が8カ月かけて手作りしたという店内は、モダンな野趣ともいうべき空間

右.竹べら味噌焼き¥600。注文の度に割ったばかりの竹を使用。桜味噌に大豆やゴボウ、生姜などを細かく切って混ぜた、まさに"食べる味噌"。竹がほのかに薫る

「子供の頃から釣りやカブトムシ採集が好きで。猟を始めたのも、その延長上ですね」と、店主の吉岡史人氏。数カ月働くと、残りは北海道で猟をするという東京-北海道間の二重生活を続けていたという。趣味が高じ遂には仕事を辞め、今年3月、青山で山小屋のようなこの店を開いた。

ここの自慢は、吉岡氏が北海道で獲った蝦夷鹿を中心とするジビエの数々。仕留めた直後に自分で丁寧に血抜きして冷凍熟成させるため、ジビエ特有の臭みが一切なく、味も濃く、肉質も柔らかい。そんなジビエを山菜や川魚、貝類を交えて野趣溢れるおまかせコースで提供している。料理を担当するのは渡辺伸樹氏。彼は白金の有名料亭で14年間、料理長を務めた人物だ。

おまかせの内容は先付に始まりサラダ、鹿肉の刺身、ジビエの炭火焼物、目の前で網焼きにする海鮮……と続く全9品のフルコース。使用する食材は原価率6割を超える特級品ばかり。「シンプルなだけに良いモノでなければダメ」と言う猟師料理の醍醐味はもちろん、細かい仕込みや味付けなど随所に端正さを感じられる。これが単なる田舎料理と決定的に違うところだ。

たった8名しか入らない店も居心地が良い。焼物の度に目前で行われる竹割、囲炉裏の火起こしまで、ここでは作業全てがエンターテインメント。青山にあって、ここだけ悠久の時間が流れている。

左.蝦夷鹿のお造り盛り合わせ。モモ、背ロース、レバー、ハツ、タマ(砂肝)。写真は3人前で¥10,000

右.白ワインはジビエとも相性の良いシャブリやムルソーを用意

赤坐海老の炭火焼き¥1,800

左.キンキや鮎など旬魚も充実

右.丁寧な下処理で素材の旨みを引き出す料理長の渡辺氏


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