2011.07.21
東京美食MAP 10の街 青山、通のための和食 Vol.1悠久
都会にあって山の風が吹く。クセのない和風ジビエ料理
2011.07.21
東京美食MAP 10の街 青山、通のための和食 Vol.1都会にあって山の風が吹く。クセのない和風ジビエ料理
「子供の頃から釣りやカブトムシ採集が好きで。猟を始めたのも、その延長上ですね」と、店主の吉岡史人氏。数カ月働くと、残りは北海道で猟をするという東京-北海道間の二重生活を続けていたという。趣味が高じ遂には仕事を辞め、今年3月、青山で山小屋のようなこの店を開いた。
ここの自慢は、吉岡氏が北海道で獲った蝦夷鹿を中心とするジビエの数々。仕留めた直後に自分で丁寧に血抜きして冷凍熟成させるため、ジビエ特有の臭みが一切なく、味も濃く、肉質も柔らかい。そんなジビエを山菜や川魚、貝類を交えて野趣溢れるおまかせコースで提供している。料理を担当するのは渡辺伸樹氏。彼は白金の有名料亭で14年間、料理長を務めた人物だ。
おまかせの内容は先付に始まりサラダ、鹿肉の刺身、ジビエの炭火焼物、目の前で網焼きにする海鮮……と続く全9品のフルコース。使用する食材は原価率6割を超える特級品ばかり。「シンプルなだけに良いモノでなければダメ」と言う猟師料理の醍醐味はもちろん、細かい仕込みや味付けなど随所に端正さを感じられる。これが単なる田舎料理と決定的に違うところだ。
たった8名しか入らない店も居心地が良い。焼物の度に目前で行われる竹割、囲炉裏の火起こしまで、ここでは作業全てがエンターテインメント。青山にあって、ここだけ悠久の時間が流れている。
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