丸の内のプーさん Vol.11

ピュアな恋に憧れる“こじらせ”男を救った、惚れた女の意外な一言

丸の内勤務の証券マン・江森(通称:えもりん)、30歳。おとめ座。

外見はプーさんそっくり、愛されキャラな男。好きな食べ物はハチミツ...ではなく、『ウルフギャング』のプライムステーキ。

港区生まれ、港区育ち、育ちのいい奴らは皆トモダチ。生まれながらに勝ち組な彼は、日本を代表するエリート・サラリーマンとして独身生活を謳歌している。

イケてるはずなのに拗らせ気味な男・えもりんは、恋人探しにことごとく惨敗。さらにイケメン商社マンの親友・ハルの結婚報告&説教をうける。

そして、強気な美女・まゆこの涙に心揺れるも、なかなか素直になれないが...?


「えっと...菜々子ちゃんは汐留で、絵美ちゃんは築地に住んでるんだよね」

深夜0時近くの丸の内。

食事会も解散となり、静まった仲通りの隅っこで、江森はいそいそと財布から現金を取り出す。

別に金が惜しいワケではないが、女子にタクシー代を渡すという行為は、何となく自分が“おっさん”になったような、物悲しい気分になる。

もちろん、港区おじさん的な人種のように、短距離なのに万札をドンと渡すようなことはしない。あくまで丸の内の紳士として、レディを無事に送り届けるためのマナー的作法である。

江森は自らタクシーを止め、運転手に直接5,000円を渡し、彼女たちの自宅を告げた。

「えもりんて、本当にマメだよな~。まだ終電あるんじゃねーの?」

車中のレディたちに甘い笑顔で手を振りながら、ハルは低い声でサラっと毒を吐く。

―これだから、イケメンは...。

タクシー代の発想など微塵も持たないハルに少々イラっとしながらも、二人の男は恒例の三次会(反省会)に繰り出した。

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