SPECIAL TALK Vol.35

~失敗するからこそ改良点を考え抜く~

2020年のニューリーダーたちに告ぐ

国内大手の旅行会社H.I.S.の創業者である澤田秀雄氏。現在も同社の会長兼社長を務めるかたわら、新規事業の立ち上げから依頼を受けての企業再生まで携わり、世界を飛び回る多忙な日々を送っている。

しかし、澤田氏はいつでも成功ばかり収めているわけではない。ときに手痛い失敗をしながらも決してあきらめなかったからこそ、今の結果につながった。

澤田氏が失敗とどのようにして付き合ってきたかを探ることで、次代のリーダーが恐れることなくチャレンジに踏み出すための極意が見えてくる。

澤田秀雄氏 H.I.S.代表取締役会長兼社長

1951年生まれ。大阪出身。高校卒業後、旧西ドイツ・マインツ大学に留学。80年、インターナショナルツアーズ(現エイチ・アイ・エス)設立。96年、スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)設立。03年、モンゴルAG銀行(現ハーンバンク)の会長就任。10年、ハウステンボス株式会社の代表取締役社長に就任。2016年11月にはH.I.S. 社長に復帰した。

金丸:本日はお忙しいなかお越しいただき、ありがとうございます。澤田さんとは十数年来の付き合いですが、じっくりお話を聞くのは初めてですね。

澤田:なんだか変な感じがしますね(笑)。

金丸:今日は今年2月に移転オープンした西新宿の『すし岩瀬』をご用意しました。四谷の名店『すし匠』系列の流れを汲み、おまかせで30品近くもいただけるというお店です。

澤田:それは楽しみです。

金丸:何年か前、澤田さんにばったりお会いしたときに、「最近、バラを育てています」とおっしゃっていたのが、すごく印象に残っているんですが。

澤田:ああ、ハウステンボスのバラですね。今では素晴らしいバラ園になりましたよ。

金丸:そうなんですか。今日は澤田さんの子どもの頃からハウステンボスの事業に至るまでを伺っていきますので、よろしくお願いします。ご出身は私と同じ大阪府ですよね。

澤田:大阪市の阿倍野区です。天王寺から少し和歌山寄りのところで、阪堺電気軌道上町線の『松虫』が最寄り駅でした。

金丸:じゃあ、ふたりとも大阪の近郊で育ったんですね。私は枚方市に生まれて、泉大津市に引っ越したので。

澤田:そうなんですね。急にあのチンチン電車が懐かしくなりました。

金丸:ご両親は何をされていたのですか?

澤田:父は商売人で、母は専業主婦です。ごく普通の家庭で育ちました。小中高と近所の公立に通ったから、家計に優しい子どもでしたね(笑)。

金丸:子どもの頃は、どんなお子さんだったんですか?

澤田:知らないところに行ったり、新しいものを見たりするのが大好きでした。どんどん遠いところに行って、帰ってくるのが遅くなって、よく怒られてましたね。

金丸:好奇心旺盛ですね。それは何かきっかけがあったとか?

澤田:とくには。とにかく外の世界が見たくて、中学くらいまでは歩いていける範囲で、高校になったら自転車で旅をしました。南紀を10日かけて1周したり、1ヵ月ぐらいかけて北海道を1周したり。

金丸:それは生まれついての冒険家ですね。

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