2011.07.21
東京美食MAP 10の街 銀座で期待の新店 Vol.2素材の魅力を引き出し、食べ手を虜にする。
銀座という街の歴史や風格を引き継ぐのは、人
初めて会った日から「クロディーノ」と呼ばれるようになった。まだ24歳だったから、小さな黒田という意味を込めて。名付け親はジョルジョ・ピンキオーリ氏。イタリア『エノテーカ・ピンキオーリ』のオーナーである。黒田敬介氏はフィレンツェにある本店で1年間研修を積み、1992年のオープンから2010年の閉店時まで東京店でシェフソムリエを務めた。
この店のスタッフはセカンドシェフだった丸山孝一氏ほか、全員が銀座にあった『エノテーカ・ピンキオーリ東京店』出身だ。店が小さく、料理やワインの価格がグッと安くなっても、身に染みついた所作は以前と変わりない。軽自動車なのにエンジンはスーパーカー仕様。たとえていえば、そんな店だ。
パルミジャーノの塩味ケーキも、リコッタを詰めた手打ちパスタもフワッと軽い。元々重かったものを、味も食感も軽く軽く仕上げる。ご存知の通り、軽少化はたゆまぬ研究と技術向上がもたらすものである。丸山シェフはかつての職場でも営業時にはもちろん、まかないでも常に研究と技術向上に力を注ぎ続けた。
あの蕎麦めちゃめちゃ美味しかったね!毎日同じ釜の飯を喰らってきた同士、あの日のまかないといえばツーといえばカーで、あれね、となる。あれはすごかった。そんな語り継がれるようなまかないを作れるのは、才能である。みんながその才能を信じている。ここは料理店。接客にも様々なテクニックがあるだろうが、料理を売る際にシェフの才能を信じること以上の高等技術があるだろうか。「美味しいですよ」と自信をもって勧められる、この店のサービスマンは幸せだ。
さて、前の店では日本一のワインリストを誇っていた。約6万本、2千種以上のアイテム。リストは150ページに及び、最高額は500万円!その全てを試飲したというクロディーノ氏が選ぶ1本3,885円~のワインの価値は重い。単に8ページではなく、8/150なのだと心したい。
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