メニューによります2 Vol.4

侮れない“商社マン”デート。銀座の超名店で交錯する、男女のシーソーゲーム

男性から食事に誘われたら、必ずこう答える女がいる。

「メニューによります」

男をレストラン偏差値で査定する、高飛車美女ひな子が、中途半端なレストランに赴くことは決してない。

彼女に選ばれし男たちは、高飛車に肥えた彼女の舌を唸らせるべく、東京中の美食をめぐり、試行錯誤を繰り返す。

最近は、セレブ王子・久保『Naveno-Ism』『茶禅華』での2on2M気質な港区おじさんジュニアとの『アピシウス』デートを楽しんだ。


―ないないないない。

ひな子は、麻布十番の自宅マンションの前を去って行くタクシーを見送りながら、激しく頭を振る。

今晩は初めてマッスーとの『アピシウス』デートを試みたが、これが意外にも、なかなか楽しかった。

「ひな子専属の港区おじさん」という発言は胸にじんわりと響いたし、徹底して下手に振る舞い続けるM気質な彼の姿勢は、知らぬ間にひな子の警戒心を溶かしていた。

自分の吐く毒舌や高飛車発言に、マッスーがいちいち嬉しそうに反応するのも、気づけば何だかクセになっている。

ひな子は久しぶりに時間を忘れて食事を楽しんでいたが、その後彼は、いつものように二次会に誘うことなく、あっさりとひな子を送り、西麻布方面へ消えて行った。

―なによ、私との食事のあとに、他の予定があるってこと...?

ひな子は肩透かしを食らったような気分になり、つい顔が歪んでしまう。

M男のマッスーの行動を邪推して苛立つなんて、自分でも信じられなかった。

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