東洋経済・東京鉄道事情 Vol.64

どこの鉄道マンが一番稼いでいるのか!?路線別平均年収ランキング

一方で、公営鉄道はどうか。1位の横浜市は786万円でJR1位のJR東海、大手私鉄2位の東急を上回る。以下、2位神戸市、3位福岡市、4位大阪市、5位東京都、6位札幌市、7位仙台市と、平均年収が700万円を超える鉄道事業者がずらりと並ぶ。

ちなみに上位の事業者は大都市の地下鉄、下位の事業者は地方都市の路面電車という特徴がうかがえる。

このような事業者タイプ別のランキングを踏まえたうえで、最後に鉄道事業者全体のランキング(次ページから掲載)を見てみよう。

全体の平均年収は662万円だが…

1位の成田空港高速鉄道の年収は1188万円。2013年も1176万円でトップだった。同社は成田空港周辺の路線およそ18キロメートルを保有し、そこに乗り入れるJR東日本と京成電鉄から線路使用料を得ている。

2位の立山黒部貫光はケーブルカー、ロープウェー、トロリーバスなどを運行する。富山地方鉄道、富山県、北陸電力、関西電力などが大株主に名を連ねる。

4位の北大阪急行電鉄と6位の神戸高速鉄道はどちらも阪急阪神ホールディングスの傘下企業。8位の大阪外環状鉄道はおおさか東線をJR西日本に貸し付けて線路使用料を得ている。

なお、以上の各社の平均年収に基づき日本の鉄道事業者全体の平均年収を計算したところ、662万円となった。冒頭の民間企業で働く人の平均年収415万円を大きく上回る。

ただ、業界平均が高いといっても、その理由はJRや大手私鉄といった職員数の多い企業の平均年収が高いからにすぎない。206社の中央値は103位阿佐海岸鉄道の437万円。民間企業全体の平均年収と大差ない。

同社が三セク鉄道の7位にランクインしているとおり、全体ランキングの下位は各地で経営的に苦戦している会社が多数を占める。ただし、平均年収にこれだけの開きがあっても、安全・安定運行へのたゆまぬ努力だけは各社共通だ。

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