ドクターラバー Vol.4

ドクターラバー:弁護士や経営者より、ドクターが“最強”なワケ

医者を好み、医者と付き合い、結婚することを目指す。

そんな女性たちを、通称「ドクターラバー」と言う。

日系証券会社の一般職として働く野々村かすみ(28)も、そのひとり。

彼女たちはどんな風に医者と出会い、恋に落ち、そして生涯の伴侶として選ばれてゆくのだろうか?

医者とドクターラバーたちの恋模様は、一筋縄ではいかないようだ。

慈恵医大出身のドクター2人とお食事会をしたかすみと、同期の里帆。かすみは、爽やかで甘いルックスの内科医・城之内からデートに誘われるも、病院からの呼び出しでほとんど話せないままさよならをすることに。気の張ったデートを終えて一瞬浮かんだのは、同期の営業マン・タケルの顔だった…。


毎週月曜は、女たちのデート報告会


「つまり、消化不良だったのね」

里帆の率直な言葉に、かすみは弱々しくうなずくしかなかった。

先週金曜日の城之内とのデート。開始から30分もしないうちに、彼は病院から呼び出され、戻ってしまった。

「呼び出しは、内科医にはついてまわるからね。覚悟しないとね」

里帆の言葉に、かすみは相槌を打つ。

彼の時間を、丸ごともらえるわけではない。そういうもどかしささえも、ドクターラバーは「逆に楽しい」くらいの超ポジティブスタンスで、愛してゆかねばならないのだ。

「でも、城之内さんは素敵な方よ。内科医は外科医に比べて少し地味な人が多い分、性格も研究博士みたいに変わったタイプもいるから」

里帆は顔をしかめてつぶやく。目下狙い中の浅見か、または別の誰かを思い出しているのだろうか。

「とりあえず、埋め合わせの連絡が来るまで待ちましょ」

もっとガンガン攻めなさい、と里帆に言われなかったことに何となくほっとしながら、かすみはうなずいた。



「なんか浮かない顔してない?うまい焼き鳥でも食べに行くか」

帰り際、会社のエントランスでたまたま会った同期のタケルに誘われ、かすみは『博多かわ屋 神田店』に来ていた。

「かわ屋って、福岡ではすごく有名で。博多っ子の俺としては、待望の東京オープンだよ」

「この名物のかわ焼きは、絶対に食べた方がいいって。女って、鳥皮好きでしょ?」

いかにも証券の営業マンらしい速いテンポで、タケルは話を進める。

口数の多くないかすみにとって、軽快に話してくれるタケルは、今日もとても心地がよかった。

気まずいムードに、なるまでは。

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