結婚ゴールの真実 Vol.17

嫁が寝るまで、帰りたくない。朝4時までTSUTAYAで過ごす夫

「結婚=ゴール」なんて考えは、古すぎる。

東京の恋愛市場は、結婚相手を探す女で溢れかえっているが、結婚はゴールではない。そんなものは、幻想だ。

吾郎、34歳。長身イケメン、東大卒、超エリートの企業法務弁護士。

吾郎いわく、結婚をM&Aに例えるならば、M&A実施の調印式=結婚式であり、PMI(買収実施後経営統合)=結婚後の生活となる。東京婚活市場において、PMI軽視の風潮は非常に強い。

とか言いながら、ちゃっかり英里と結婚した吾郎。しかし、彼のアンチ結婚主義は変わらないようだ。

引き続き、既婚者たちの結婚生活を、彼独自の目線で観察していこう。


「おい吾郎、もう一軒行こうぜ」

古い遊び仲間である明宏は、酔いが回り、精気の抜けたドロンとした瞳を吾郎に向ける。今日は男二人、六本木の『志る角』にて、しっぽりと飲んでいた。

ここはレトロ感のある老舗和食で、男だけで飲むのはもちろん、カップル客も多い、使い勝手の良い店だ。

「いや、俺はもう帰る」

吾郎は即答するが、明宏はヘラヘラとしつこく食い下がる。

ちょうど会計を終えたところで、時間はもう夜の12時を回っていた。

「もう一杯くらいいいだろ。『R2 SUPPERCLUB』か、どこかのクラブで軽く飲もうぜ」

明宏は吾郎と同じ34歳の既婚者であるが、中年に差し掛かった泥酔男が「クラブで飲もう」などと言う姿は、何とも癒えぬ哀愁感が漂う。

「いや、お前も酔いすぎだろう。たまには早めに帰ったらどうだ」

吾郎はそう窘めたが、この男は、恐らく一人でも飲みに行くに違いなかった。

明宏は悪い奴ではないし、決して嫌いでもないのだが、とにかく"帰りたくない男"なのだ。

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