それも1つのLOVE Vol.12

それも1つのLOVE:もう二度と触れられない高嶺の花。彼女が最後に告げた、残酷な言葉

それもまた1つのLOVE。

愛してるとは違うけど、愛していないとも言えない。

あなたの身にも、覚えはないだろうか…?

浜松の公立高校を卒業した翔平は、日吉キャンパスで衣笠美玲と出会う。洗練された彼女は手の届かない高嶺の花だったが、いつしか“特別”な関係となる。

高校の同級生・奈々とも距離を縮める翔平だが、やはり美玲が忘れられない。

そんな時、美玲の婚約者が他の女性と親密にしている場面を目撃した翔平は、衝動的に美玲を呼び出すのだった。


いつまでも「特別」な女


そろそろ日付が変わろうという時間だったが、六本木の街は静けさとは無縁で、それが翔平を幾分安心させた。

指定された『TSUTAYA TOKYO ROPPONGI』のテラスで、夜風に当たりながら美玲を待つ。

美玲に限っては、待つ時間さえ特別感がある。そんなことにも改めて気がつき、彼女という存在の大きさをまた再認識するのだった。


「お待たせ」


しばらくして、美玲はショートサイズのホットカップを持って現れた。

家で...婚約者と暮らす新居で寛いでいたのだろう、彼女はキャミソールタイプのロングワンピースにパーカーというラフな格好をしていて、そのことにちょっとした違和感を感じる。

思い起こす限り、大学時代からこれまで、翔平が見てきた彼女はいつだって一寸の隙もなかった。美玲はいつも完璧な佇まいで、翔平を圧倒していたのだ。

−気を許してくれているのだろうか。

なんて、都合の良い解釈をしてみる。

しかしそこにはまったく逆のメッセージがあることを、すぐに思い知らされるのだった。

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