「待ち合わせは"東京"で。」新鮮な誘い文句であの人を大人の夜に連れ出そう

賑やかさが程よい店内は、どんなデートも気まずくさせない雰囲気。

傷心のあの人も笑顔にさせる、絶品ロースビーフの店『ステーキ&トラットリア カルネジーオ』

「長年付き合って結婚も考えていた彼と別れた」と落ち込む彼女を誘ったのは、もちろんずっと気になる人だったからだ。

彼との問題の相談を受けるたび、「彼女を幸せに出来るのは、この自分なんじゃ無いか」という想いが募るばかりだった。

金曜日の昼過ぎに、「お願い…元気が出るものが食べたい」と呟くように送られてきたLINEを見て、すぐさま予約をしたのが『ステーキ&トラットリア カルネジーオ』である。

メープルシロップとホイップバターをつけていただく「ポップオーバー」は、食べ過ぎに注意したいほど、クセになる美味しさ。

『カルネジーオ』は、東京駅から歩いて5分ほどの距離にあり、休日は予約必須で、平日でも多くの人で賑わう店だ。

一番のおすすめは「ローストビーフのコース」。名前の通り、メインは厚切りのローストビーフだが、初めに出される、そして好きなだけいただけるという「ポップオーバー」から、料理の質には期待が出来る。

彼女が美味しいお肉に目がないのはもちろん知っていたが、金曜の夜でも彼女の話をじっくり聞ける場所がいいと、丸の内のこの店にしたのだった。

「前菜三種盛り」は内容が日ごとに少しずつ異なるので、行く度に楽しめる。

「前菜の3種盛り」は、前菜と名乗るには十分すぎるボリュームで、話をしながら少しずつつまめば、どんどんお酒が進んでしまう。レバーパテやアボカドのタルタルなど、存在感はメインに負けないものがある。

ワインが進むにつれて彼女の口から出てくるのは、別れた彼の話ばかりだ。責任ある仕事に没頭する所が男らしくて好きだったこと、しかし家事能力は皆無、深夜帰宅続きで結婚するには自分がキャリアをあきらめないといけない状況だったということ……。次第に聞くのがつらくなってくる。

唸ってしまうほど柔らかなローストビーフは一度に食べきらず、スタッフに声をかけて炭火で炙ってもらうことも出来るので、飽きずに味わえる。

この店のローストビーフは、リブロースを味付けした後丸一日寝かせる事により、しっとりと瑞々しい柔らかさを堪能させてくれる。脂身と赤身を一度に楽しめるローストビーフは、肉好きには堪らない一品である。

しかし、そのメインがくる頃には、彼女はほとんど泣きそうな顔をしていた。たっぷりとしたローストビーフを口いっぱいに頬張った彼女が、目に涙をためながらも「うん、美味しいって思える。まだ大丈夫ね」と笑うのを見て、ほっとする反面、自分の不甲斐なさに嫌気が差すのだった。

「春菊のサラダ」は、さっぱりとさせてくれるので、お肉の付け合わせとして相性抜群。

傷心の彼女も、絶品のローストビーフを食べ進めるうちにどんどん前向きになったようで、最後の一口は幸せそうな顔で堪能している。

二軒目にはパレスホテルのラウンジバー『プリヴェ』で一杯…なんて考えていたが、彼女の安心しきったような顔を見て、今夜は止めにして、駅まで送っていこうと思い直した。

並んで歩く駅までの道、いつもよりずっと彼女との距離が近いように感じる。

「東京の駅舎は元気がでるから大好きなんだ。綺麗だね…」
少し寂しそうに言う彼女の顔を見て、本当に気持ちが落ち着いたら、やっぱり改めて想いを告げようと思う。そしてその場所は、この街”東京”にしようと心に決めるのだった。

色んな人間が混ざり合う街だからこそ、様々なドラマが生まれるのだろう。定番のデートコースに飽きたなら一度、「待ち合わせは”東京”」を試してみて欲しい。

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