史子の心理学 Vol.5

困っていても誰も助けてくれないのは、なぜ?都会人が冷淡だと言われる、本当の理由

なぜか急に、意中の相手から連絡が来なくなる。

なぜかある日を境に、友達がよそよそしくなる。

あなたにも、こんな経験はないだろうか。

普段のなにげない言動が実は、相手の心を閉ざす引き金になっているかもしれない。

心理カウンセラー・史子(アヤコ・32歳)は、そんな日常の言動に切り込み、解決策を提案するのが趣味。

これまで、高学歴の人間が無意識にしがちな非モテ発言、仕事でうまくいかない上司を手玉に取る方法食事会を15分で去った男がモテた理由、そして遊んでいる男性を見分ける方法に切り込んできた。さて、今回は…?


史子が負った、過去のトラウマとは…?


「なぜ私が心理学に興味を持ち始めたのか、教えてあげましょうか」

史子の言葉に秘書の将生は、はい、とさほど興味もなさそうに返事をする。今、彼の頭の中は、目の前のテーブルに鎮座する、できたてのハンバーガーのことでいっぱいだ。

『ウマミバーガー 青山店』は、近くに住むマダムを月に1度訪問した際に寄るお店である。将生はここのハンバーガーを「今まで食べた中でトップクラス」と絶賛しており、毎月とても楽しみにしている。

私のありがたい訓示をないがしろにするなんて…と心の中で毒づきながら、史子は続ける。

「私ね、大学生の頃、電車で酔っ払ったおじさんに、絡まれたことがあるのよ」

あれは大学1年生の、前期での出来事。サークルの飲み会を終え、何人かのメンバーと終電の山手線に乗ったときのことだ。

「おまえら、うるさいんだよ」

いきなり、泥酔した40代後半くらいのサラリーマンに、絡まれたのだ。

さほど大きい声で話していたわけでもなく、終電のザワザワ感にとけこむくらいの声量だったはずだった。

彼は、スタイルの良さと華やかな顔立ちでひときわ目をひいた史子にふらっと近寄り、ぐっと腕をつかみながら、叫んだのだ。

「チャラチャラしやがって。仕事もしてない若造が」

そのときの恐怖といったら…史子にとっては、筆舌に尽くしがたいほどだった。

今まで何不自由なく育てられ、特に目立った喧嘩をしたこともなく、どちらかというと幸せに過ごしてきた人生。大学に入ってすぐ、突然に見舞われたトラブルに、史子の脳はフリーズした。

しかし、それよりもショックだったのは、そんな場面で、周囲の誰も助けてくれなかったことだ。

【史子の心理学】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo