港区内格差 Vol.5

一部の港区民には“遠征”レベルの芝浦アイランド。そこで開催されるママ会の実態

港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。

人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。

港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。

これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。

港区内で頂点を極めた者に与えられるキングとクイーンの称号。クイーンとなり、港区女子を卒業した凛子は、港区内での男の格差を目の当たりにする。


港区内遠征・芝浦アイランド


—2,620円。

タクシーのメーターに表示された金額を見ながら、ふぅ、とため息をつく。

凛子が芝浦まで来た理由はただ一つ。

元港区女子であり、元グラビアアイドルでもあるレイナの“ベビーシャワー”が芝浦アイランドのブルームタワーで開かれるとのことで、今日は柄にもなくその会に参加することになったのだ。

凛子はこの手の集まりが苦手だ。そして何より、場所を聞いた途端に行くのが更に億劫になった。


「芝浦アイランド?嘘でしょ。遠くない?」


港区内でも、芝浦アイランドは陸の孤島であり、“遠い”の一言に尽きる。同じ港区内にも関わらず、もはや冗談レベルの遠さだ。

しかし元々レイナは毎晩一緒に港区を徘徊していた仲であり、そんな彼女の妊婦姿を一目見たいという欲求に駆られ、渋々“行く”と返事をしてしまった自分がいた。

陸の孤島へ向かうタクシーに乗っている間、何度もつぶやいた。

「やっぱり...遠いわね。」

しかし、芝浦云々よりも、港区に住むママたちが集う会に参加したことの方が、よほどの判断ミスだったことに、この時はまだ気がついていなかった。

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