港区内格差 Vol.3

港区内格差:不動産屋よりヒルズの間取りに詳しい女が、ミッドタウンのホムパに潜入!

港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。

人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。

港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。

これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。

港区内で頂点を極めた者に与えられるキングとクイーンの称号。クイーンとなり、港区女子を卒業した凛子は、芝に住むバーキンを持つ女に違和感を覚えたのだった。


時代と共に消えたヒルズ族


—凛子、久しぶりに我が家でホムパするから来ないか?

キングの名を手にし、港区で彼を知らない者はいないとまで言われる男・佐藤隆二から久しぶりにLINEが来た。

それは、柔らかな日差しを浴びながらグランドハイアット 東京の『フィオレンティーナ』で、美奈子とシャンパンランチを楽しんでいる時だった。

10年前、佐藤は六本木ヒルズのB棟に住んでいた。

当時は“ヒルズ族”という言葉が大流行しており、ITバブルに港区中が沸いていたことを昨日のことのように思い出す。

「懐かしい!あの頃、毎日佐藤さんの家でホムパが開催されてたよね〜」

美奈子が、『フィオレンティーナ』のテラス席から、目の前にそびえ立つ六本木ヒルズレジデンスを眩しそうに見上げる。

当時22歳だった凛子はヒルズ内で行われていたホームパーティーに夜な夜な顔を出していた。

「もはや不動産屋より私たちの方がヒルズの間取りに詳しかったよね(笑)」

美奈子が冗談交じりに笑うが、確かにそうだ。この10年間で六本木ヒルズの、いくつの部屋を訪れたことだろうか。

「久しぶりだし、行ってみようよ。」

美奈子に促され佐藤に“行きます”と送ると、すぐに返信が来た。

現在佐藤が住んでいるのは、六本木ヒルズではなく、東京ミッドタウン・レジデンシィズだった。

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