港区内格差 Vol.1

港区内格差:“港区特権階級”に属す一握りの男。そこに群がる女たちと、うごめく欲望

時代は巡りゆく港区


「疲れたから、そろそろ帰ろうかな。」

軽く会釈して立ち去ろうとした時、一人の女の子から声をかけられた。

「凛子さんですよね?色んな方からお話を伺っていて、ずっと憧れていたんです!」

とろみ素材のトップスに、脚の綺麗さが際立つミニスカート。手にはシャネルのマトラッセを、大事そうに持っている。

その子を見て、磨けば光りそうな子だな、と凛子は直感的に感じた。

「伝説の女がいるって、たくさんの方から聞きました。私、いつか凛子さんのようになりたくて!だから頑張って港区に引っ越して来たんです。今は三田に住んでいて...」

三田?一瞬頭がフリーズし、そして思わず笑ってしまった。

「三田は、慶應の学生さんが住む場所じゃなくて?」


帰宅時にも現れる港区内格差


固まっているその子を横目に店を出る。すると目の前に停まっていたブラックカーの扉が静かに開く。

「佐藤様より、凛子様をお送りするようにと仰せつかっております。」

Uberの運転手が仰々しく挨拶する。

通りには、運転手付きのブラック・バンがずらりと並んでいた。それらは全てキングたちのお抱え馬車だ。

港区で行われる誕生日会やパーティーは、皆権力を誇示するかの如く自分の専用車を待たせる。

そのブラック・バンに一緒に乗り込む女性は誰なのだろうか。今日もまた、新たなクイーンが生まれるのだろうか―。

「有栖川公園の方まで。」

走り出した車窓から、さっきまで同じ会場にいた女の子たちの姿が見えた。

大通り沿いでタクシーを捕まえようとずっと手を挙げている子、徒歩で駅まで向かう子。

小さくなる彼女たちの姿を見ながら、思わず応援の意味を込めた笑みがこぼれる。

バックミラーに彼女たちを写しながら、車はけやき坂を静かに走り抜けた。


▶NEXT:4月18日 火曜更新予定
芝は港区の僻地。格下の烙印を押される芝エリア。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

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No Name
三田に住んで何が悪いの笑
自分を憧れと言ってくれる若い子をバカにする嫌なおばさん。
2018/02/06 02:5335
No Name
応援の笑みじゃなくて侮辱の笑みだろ。私が一番!ってはしゃいでいるのかな?この女には廃れていく美貌以外には何も持ってないのにキモい
2018/01/27 10:4523
No Name
はっ田舎者が港区に生まれて育ってないくせに港区女子とか言うな!
2018/09/08 18:4513
もっと見る ( 4 件 )

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