港区内格差 Vol.1

港区内格差:“港区特権階級”に属す一握りの男。そこに群がる女たちと、うごめく欲望

港区エンパイア、牙城崩せず


佐藤隆二郎。港区で知らない人はいない有名人だ。

10年前に一緒に遊んでいた港区女子の友達は、半分以上が姿を消した 。Instagramでたまに見かける人もいるが、LINEの連絡先は知らない。港区女子の友情なんてそんなものだ。

そんな中、美奈子は貴重な“港区女子生き残り組”だった。

—行く! 20時開始ということは、21時半くらいでいいよね?

幸い、今夜雅紀は出張で香港にいる。

クローゼットからISSAの、胸元が綺麗に開いたワンピースを取り出し、マノロ・ブラニクのグレーパンプスと、以前誰かに貰ったケリーを合わせた。



「凛子!相変わらず今日も綺麗だね!」

45歳にもなるというのに、例年通り豪勢に行われている、佐藤らしい誕生日会。『1967』には、佐藤になんとか見初められようとしている若い女性が溢れていた。

「佐藤ちゃん、相変わらず元気そうで何よりだわ。おめでとう。」

軽く挨拶し、すぐに去ろうと思っていたが思いのほか知り合いが多く、なかなか帰れる雰囲気ではなくなってしまう。

港区は狭い。特にカースト制度のトップに君臨する者たちは、皆繋がっている。

今日の佐藤の誕生日会にも、テレビや雑誌で大活躍のコンサル会社経営者に、ワイドショーで世間を賑わせたIT社長。先日某女優と婚約を発表し、“相手はイケメン青年実業家”と報道されていた飲食店経営者など、世間からも注目度が高い有名人たちが顔を揃えている。

彼らは皆、港区エンパイアの中でキングのような絶対的立ち位置を誇る"特権階級"だ。

そしてこの“特権階級”に所属できる者はほんの一握り。この階級には強固な結束力があり、他の介入は許されない。(トライアスロンチームへの参加率も異常に高い。)

その下に構えるのが、トランプの絵札で言うところのジャックになるだろうか。

若手社長や雇われ社長が多く、特権階級入りを目指して頑張っている。彼らはまだ自分の専用車はないし、自由度も低い。

しかし、ある日突然キングの座を奪う可能性も秘めている。

そしてキングにもジャックにも属さない、 “その他”と分類される者たちがいる。いわゆる“先生”と呼ばれる職種が多く、経済力はあるが何故か階級には入っていない。


「凛子、来てたんだ!」
「久しぶりじゃん。まさか凛子が婚約とはね〜」

皆が口々に話しかけてくる。港区の誕生日会は、カースト制度が明確に表れるから面白い。

顔見知りの軍団は奥の個室、あるいは個室手前のやや高い位置にあるテーブルに固まっていた。その隣に座れるのは、港区女子の......


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