結婚願望のない男 Vol.7

結婚願望のない男:「結婚は嫌だ。だが、別れたくない」頑固男の、精一杯の歩み寄り。

私の大好きな彼氏には、結婚願望がない。

それを知ったのは、30歳の誕生日。順調な交際を2年も過ごした後だった。

東大卒のイケメン弁護士・吾郎との「結婚」というゴールを、疑うことのなかった英里。彼が結婚願望ゼロと知った日から、薔薇色と信じていた人生は一気に転落。結婚への不安と焦りが爆発する。

結婚を「幸せ」と信じて疑わない英里。結婚願望のない男を、振り向かせることはできるのか?


30歳で、2年付き合った最愛の彼氏と破局。

この事態の重さは、想像以上のものだった。よく、失恋すると世界の色が灰色になると例えられるが、英里の視界はまさにそんな感じだ。色彩を失ってしまったように、常にどんよりと暗く曇っている。

買い物中に可愛い服や新作コスメに出会っても、美味しいものを食べようと思っても、吾郎のいない世界では、楽しみも感動もほとんど味わうことが出来ない。

それに、自分の置かれた状況を冷静に考えると、悲惨としか思えなかった。

―30歳にもなって、独りで、一般職......。私、これからどうやって生きていけばいいの......。

英里は別に、楽がしたいわけではない。

しかし、好きになった人と永遠の愛を誓い、安定した家庭を築くという夢を見るのは、そんなに愚かなことなのだろうか?

何気なくスマホをいじると、「彼が結婚を意識する5つの瞬間」「この子と結婚したい!と彼に思わせる方法」などという記事を、ついついクリックしてしまう。

しかし書かれているのはだいたい同じような内容で、特に役立つものではなかった。英里はその度に小さく溜息を洩らし、どんどん自分が不幸な女になっていく気がした。

すると、一通のLINEが届く。

相手は、最近すっかりLINE友だちになった、金之助(通称きんちゃん)だった。

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