Age,32 年収上がらなくて。 Vol.7

「仕事はゲームだ」サラリーマンの醍醐味を知る者と、知らぬ者の思考の差

―年収が、上がらない。

薄々と気付いていた、サラリーマンの年収の限界。

大手広告代理店勤務の貴一(32)が改めてそれを実感したのは、入社10年目の1月、源泉徴収票を見た時だった。

今のところ、俺の年収は緩やかな上昇曲線を描いているが、その上を目指すならば、出世競争という名の我慢比べゲームに参加するしかない。

…俺の人生は、こうやって終わっていくのだろうか?

転職活動を始め、外資コンサルへの志望を強める貴一だったが、3次面接で落ちてしまう。しかしその後、起業した元同期・啓介に触発され、転職熱が再燃する。


「人生の漠然とした不安が、なくなったんだよね」

通勤電車の中、そう断言した啓介の言葉が頭の中で何度もリフレインする。

代理店から独立して起業。それは、決して珍しくない話だ。でも誰かのそんな話を聞くたび、いつも複雑な気分になる。

「よくやるよなぁ、アイツが」とやっかみ半分で話したり、うまくいっていないと聞けば少し嬉しくなったり。

今の会社にいれば、世間並み以上の生活が保証されている。

「代理店ってちゃらい」
「調子乗ってるけど、大したことないだろ」

そう言われても、それは所詮、ただのやっかみだ。決して口には出さないけれど、そんな風に思っていた。

だから…。

起業して、さらに上を目指すやつらがうまくいってないと聞けば、同じところにい続ける自分のプライドが少し慰められた。だからこそ同期の啓介がいきいきと話す姿はまぶしくて、思わず目を覆いたくなった。

そんなとき、啓介からFacebookのメッセンジャーが届いた。

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