―年収が、上がらない。
薄々と気付いていた、サラリーマンの年収の限界。
大手広告代理店勤務の貴一(32)が改めてそれを実感したのは、入社10年目、源泉徴収票を改めて見返した時だった。
今のところ、俺の年収は緩やかな上昇曲線を描いている。
だが、さらに上を目指すならば、出世競争という名の熾烈な我慢比べゲームに参加するしかない。
…俺の人生は、こうやって終わっていくのだろうか?
貴一の転職活動は、こうして幕を開けた。
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