結婚できない女 Vol.4

結婚できない女:いつまで王子様を探すの?未婚女友達の助言は、竜宮城への罠

熾烈を極める東京婚活市場。

その中で「結婚したいのに結婚できない」と嘆く女には、いくつかの共通点がある。

ある行動により自分の市場価値を無駄に下げる女、逆に実態なく価値を上げ過ぎて機会損失している女……。

これまで、24時の誘いに乗る女都合のいい女 提案してしまう女を紹介してきた。

今回登場するのは、「王子様を探す女」。


王子様を探す女。


バタン。

百合の鼻先で、玄関のドアが音を立てて閉まった。その無機質な音が、しゃがみこんでいた百合の耳に冷たく響く。

―なんで、待っていてくれないの?

付き合ってもうすぐ半年になる彼・陽介と、近所の『ティー・ワイ・ハーバー』にランチを食べに出かけるところだった。一緒に玄関を出ようとしたのに、百合がブーツを履くのに手間取っていたら、陽介は自分だけスニーカーを履いてさっさと出て行ってしまったのだ。

―陽介って、釣った魚にエサやらないタイプなのかも…。

ここ最近、陽介の自分に対する態度が、少しずつ変わってきたように百合は思う。

はじめの頃はデートの後、必ず家まで送ってくれていたが最近は現地解散。マメすぎるほどにマメだったLINEも既読後すぐに返事がないことが増えた。

今だってそうだ。百合がブーツを履く間くらい、ドアを開けて待っていてくれたっていいものを―。

百合の頭の中にある「陽介採点機」がくるくると回り出す。もともと100点でもなかった陽介の点数は、今の出来事で10点減点され68点となった。

「お待たせ。」

百合の渇いた声にも、陽介はまったく気づかない。

「腹減ったなー」と、鼻歌を歌いながらエレベーターに乗り込む陽介の、その呑気な様子がまた百合の癇に障る。

前に立つ彼の、微妙に寝癖が残ったままの頭頂部に向かって、百合は心の中で呟いた。

―陽介も、私の王子様ではなかった。

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