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  • 目黒女子、27歳 Vol.1

    目黒女子、27歳:尽くす恋はもう、おしまい。これからは自分の手で幸せを掴む

    目黒に住む女性と聞いて、貴方は何を思い浮かべるだろうか?

    遊び慣れているだけでなく案外堅実で家庭的な面もある目黒女子は、東京男子がお嫁さんにしたい候補No.1の属性であるといっても過言ではない。

    妹との同居を解消し、27歳にして初めて一人暮らしをするアパレル会社勤務の結衣が選んだ街も、目黒だった。

    しっかり者の結衣が目黒を選んだ理由とは?

    目黒女子となった結衣は、目黒でどのような生活をし、どう変化していくのだろうか。


    しっかり者の姉はいつも損な役回り?


    「お姉ちゃん、私結婚するから」

    妹のマリが言い出したのは、土曜の昼下がり、一緒に暮らしている三軒茶屋のマンションで『王様のブランチ』を見ている時だった。その突然の告白に、サラダ用のトマトを切っていた右手が止まる。

    マリは2つ下の25歳。彼氏は確か5つ上の30歳だったはずだ。結婚願望が強いマリは、彼氏が30歳になったと同時に押し切ったようだ。

    「早く子供を産んで、第二の人生を若いうちにスタートしたい」

    一緒に東京で暮らすようになってから、それがマリの口癖だった。我が妹ながらしっかりした人生設計だ。確かにマリは顔立ちがはっきりした派手な雰囲気の美人。独身のままいたら、35歳過ぎたあたりで「理想が高過ぎて行き遅れた」と確実に言われるタイプだ。

    妹の結婚を心から喜びたい一方で、「先を越されてしまった」という焦りがないと言えば嘘になる。

    大体この三軒茶屋での共同生活だって、結衣がほとんどの家事を請け負っている。姉と言うのは、本当に損な役回りだ。

    「顔合わせとか来てくれる?お姉ちゃんいた方がスムーズだし」

    頼られるれことに悪い気はしないが、これからの新生活を考えると、いつもは可愛いはずの妹のお願いも少し億劫に感じた。

    BOTANIST_PC

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