二子玉川の妻たちは Vol.11

二子玉川の妻たちは:見栄を張るのもほどほどに。家計を蝕む自称スタイリスト妻の実態。

結婚は、女の幸せ。

そう考える種類の女にとっても、結婚は必要条件に過ぎない。

結婚しただけでは満たされない。女たちの欲望は、もっと根深いものだ。

おうちサロンをオープンし、マトラッセ事件などで傷つきながらも、徐々に頭角を現す由美を中心にサロネーゼ模様を描いてきた。

一方、昨今の主婦起業ブームに目をつけ、起業コンサルタントを名乗る女もいる。ゆるふわ起業コンサルタントとして知名度を上げてきた小泉淳子。数々の雑誌に取り上げられている彼女の元には、次から次へと迷える子羊たちがやってくる。

今回、淳子のコンサルティングを受けにやってきたのは、勘違い自称スタイリスト妻の小百合。


ほとんどの女は、自分を客観視できていない。


ウェスティンホテル東京の『ザ・テラス』

大きな窓から差し込む柔らかい黄金色の光が、夕刻の訪れを教えている。

―世の中には、自分を客観視できない女が多すぎる。

ゆるふわ起業コンサルタント・小泉淳子は、目の前に座る女に気づかれないよう、心の中で大きなため息をついた。
......


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