由香の秘密 Vol.6

隣で眠る男の顔を、噛みつきたくなったことはない?「コヨーテ・アグリー」の世界観

私の人生は、ドラマなしには語れない。

常にドラマチックな人生を送り、周囲をゴシップで沸かせてきた由香

32歳バツイチにも関わらず、童顔の可愛い顔と自由奔放な振る舞いで、「モテ女」や「悪女」の異名を欲しいままにしている。

港区の男たちを手玉に取るのも、朝飯前。

「SATCみたいに、都会のお洒落や仕事を楽しみたい。素敵なメンズと、劇的に恋に落ちたい」

そんな戯言を口にする由香の秘密は、常にドラマの中にある。


アイラインと赤いリップだけを、強めに顔に乗せた。

普段はベースメイクに時間をかけ、色味のないナチュラルな仕上がりを意識している。だが、時間はすでに23時を過ぎているのだ。

鏡の中に、いつもと少し違う自分の顔が覗く。

ほんの少し手を加えただけで、女の顔はガラリと変わる。タイトなジーンズに黒のオフショルダーのニットを合わせ、貰い物の派手な揺れるピアスを付けてみた。

挑発的な高揚感と、少し無理しているような心細さが入り混じった、不思議な気分になる。

深夜にこんな風に身支度をするのは、久しぶりだ。家で海外ドラマを観るのを優先しすぎて、夜の六本木に足を運ぶときの淡い臨場感なんて、しばらく忘れていた気がする。

タクシーを捕まえ窓の外を眺めていると、東京タワーがいつもよりやけに大きく見えた。暖かいオレンジ色の光に酔いそうになる。

夜遅くにフットワーク軽く出かける身軽さを、何のシガラミや後ろめたさもない自由さを、私は改めて心地良く実感した。

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