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薔薇色のバツイチ Vol.1

薔薇色のバツイチ:32歳バツイチ女、東京恋愛市場で嬉しい悲鳴を上げることに?!

あゆみは、くっきりしたふたえの大きな目を持っており、男性からはいつも「魅力的な目だね」と褒められていた。

食事会に行けば、最低でも誰か一人からは必ず翌日にLINEで食事の誘いがきていたし、結婚するまでの数年間は周りの友人たち同様に、色んな男性とのデートを重ねた。

自分のことをとびきりの美人とまでは思っていないが、良い方だとは思っている。それは、年齢を重ねた今でもだ。ただ、自分は今後「バツイチ」という4文字を背負って行かねばならぬことに、僅かばかりの不安はある。

―良い人と出会って、次こそ生涯のパートナーを見つけるんだ!

強気にそう思う事もあれば、

―バツイチの女を好き好んで選ぶ人なんていないよね……。

と、に弱気になる夜もある。久しぶりの一人暮らしに心を弾ませる一方「このままずっと一人だったらどうしよう……」とベッドの中で不安になるのだ。

まさか自分が離婚するなんて、思い描いていたライフプランにはなかったこと。だがこれが現実なのだから、受け入れるしかない。

未婚の友人たちも婚活真っ只中だ。自分がもう一度そこに肩を並べてよいものか、迷いがなくはない。その迷いの内訳は、後ろめたさ7割、プライド3割といった具合。“一度は、男性から選ばれた女”という称号が、あゆみに妙なプライドを持たせているのだ。そんな自分の狡猾な一面を知り、あゆみはゾッとしたものだ。

はじまりは、離婚の話が友人たちに知れ渡った頃のこと・・・


離婚後に選んだ新居は、目黒のワンルーム。恵比寿や目黒には仲の良い友人たちが住んでいる。一人に戻ったあゆみにとって、持て余す時間を一緒に過ごしてくれる女友達の存在は大きい。

この界隈に住むのは、みな独身の女たち。彼女たちと「今夜ひま?」と連絡を取り合って、ワインを飲みながら軽く食事を共にするのが楽しみとなっている。


友人たちの間でも、あゆみが離婚したことが徐々に知れ渡ってきたある日の夜、女友達と目黒の『大衆ビストロジル』 での食事を終えて自宅に帰ると、LINEが届いた。相手は、1年以上連絡を取っていなかった男友達の幸夫だ。

「あゆみ、久しぶり!離婚したって聞いたんだけど、元気?よかったら近いうちに飲みに行かない?」

幸夫は昔あゆみにアプローチしてきた男だ。そんな男からの突然の誘いに、あゆみの心臓は大きく波打った。当時、幸夫から囁かれた口説き文句がいくつも蘇ってきたからだ。

この記事へのコメント

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30前半バツイチは確かにモテます。
30過ぎて離婚した時はもう2度と結婚できないだろうと、死ぬかくらいの落ち込みでしたが、絶え間無くできる彼氏のおかげでなんとか立ち直れました。
2017/09/19 00:1814Comment Icon1
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薔薇色のバツイチ

東京で30代前半のバツイチ女性は、モテる。

とにかくモテて、モテすぎる。

30代前半に限れば、結婚経験のない女性よりもバツイチ女性の方がモテるといっても過言ではないらしい。

計らずともバツイチとなり、落ち込んでいたあゆみ(32歳)だったが、離婚の先には薔薇色のバツイチ生活が待っていた!?

彼女の薔薇色のバツイチ生活と、その恋愛模様を覗いてみよう。

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