貴方も行ける！意中の彼女を虜にした、『まさかのお酒』を主役にしたフレンチデートとは!?(2/2)[東京カレンダー

『玄米のクスクス』×『紅寿』

玄米から作られたクスクスを蒸し、フランス産のバザス牛や生ハム、昆布で取った出汁をかけて提供される、フレンチと和の新たな融合が再現された一皿。

それに対して『紅寿』はぬる燗に仕立て、料理と酒のソフトな口当たりを楽しめるように計算されており、更に米の旨みが引き出される。

まるで男女の関係！？相手がいて更に引き立つのがマリアージュ

「これは、久保田を作っている玄米でできたクスクスなんだ。玄米のクスクスと、出汁が最強の組み合わせでしょ」

「すごーい！こんなクスクス、初めて食べた！」

「『紅寿』を一口どうぞ」

「わぁ、とっても優しくて、お米の旨味が口いっぱいに広がっていく！」

「そう、これがフレンチと日本酒のマリアージュの真骨頂なんだ。美味しい料理をさらに引き立てる日本酒。まるで僕たちのようでしょ？」

「う、うん、…（暫く無言）。でも不思議。フレンチなのに、日本酒と合うなんて」

「日本酒に尊敬を示しつつ、かといってフレンチらしさを失わない、絶妙なバランスのコースだね」

「確かに、日本酒と凄く合うのに、しっかりフレンチの要素が残っている。フレンチと日本酒がこんなにも合うなんて、新しい発見です」

『酒粕のムースとホワイトチョコレート』×『千寿』

フレッシュチーズとマスカロポーネに久保田の絞り粕を混ぜ込み、オレンジの風味を足したムースのデザート。それに最高にマッチする、非常にバランスの良い『千寿』を使った、ここでしか味わえない日本酒の味わいを生かしたカクテル。

女性が惚れるカクテルとデザート

「甘過ぎるデザートって苦手なんだけど、これは何個でも食べられちゃう！正真正銘フレンチのデザートで、その風味を残しながらもどこか和のテイストも入っているような…」

「これには酒粕が入っているんだ。この絶妙なバランスがクセになるよね。そして、リサちゃん。デザートと一緒にこのカクテルを飲んでみて」

「わぁ、何これ！抹茶ラテのように飲みやすいのに、飲み終わった後は日本酒の香りがすっと鼻を抜ける。このカクテルが嫌いな女性は世の中にいない気がする（笑）」

「これはエスプレッソマシーンを使って作られていて、日本酒も牛乳もいちばん美味しいとされる温度で調合されているんだ。玉露の浸し香りとタンニンを移したベースと、この完璧な『千寿』。最高でしょ」

「それにしても、こんなに日本酒とフレンチが合うなんて初めて知りました」

「期間限定だから、一緒に楽しめて良かったよ」

「初体験のマリアージュ。とっても素敵な夜になりました」

「リサちゃんと僕もお互いを引き立てるということで、さぁ次の店に案内しようか！」

『ア・ニュルトゥルヴェ・ヴー』オーナー
下野昌平シェフ

1973年山口県で生まれ、フランス・ロアンヌの『トロアグロ』や『タイ・ユヴァン』で肉部門のシェフ、ソーシエに抜擢され活躍。2009年に同店をオープン以来、ミシュランガイドで一つ星を獲得する等、日本を代表するレストランとして人気を博す。

日本酒とのマリアージュに落とし込んだこだわりとフレンチへの思い

今回のコースは、日本酒の新たな可能性を見出したく、そして既存の日本酒ラバーに新たな魅力を再発見して欲しくて誕生したという。

「海外では“SAKE”が大ブーム。それなのに、日本人の私たちの方が無頓着で、もっと国内で日本酒の良さを知ってほしい、と思ったのがきっかけでした。」

温度を変えたり、カクテルにしたりと日本酒の様々な飲み方を提案し、普段ワインやシャンパンしか飲まない人にも是非トライして欲しいそうだ。

下野シェフにとって、フレンチの魅力とは何なのだろうか。

「ア・ニュとはフランス語で“ありのまま”、という意味があります。フレンチは、やはり特別なものであって欲しい。店を予約した時から始まる独特の緊張感とドキドキ感。それを残しつつ、店に入ったら“ありのまま”、自然に料理を楽しめるような店を目指しています。」

確かに、フレンチは男女共に背筋を伸ばして、少しドレスアップして行きたいもの。その特別感を残しながらも店に入ったら暖かく迎え入れてくれるこの店は、誰もが一度行けば虜になるだろう。

「日本酒だからと言って、和食に寄せるのではなく、この店らしい、フレンチの要素を残しました。新たなマリアージュを、是非楽しんで下さい」

下野シェフの蔵元への尊敬と愛情が形になったマリアージュコース。今回紹介できた3品に加え、デザートも含め合計7皿のコースで提供。期間限定なので、お見逃しなく！