東京いい街、やれる部屋3 Vol.2

西麻布に住む東大卒エリート銀行員。王道を好む男の部屋で目にしたホワイトボードとは?

「俺の部屋に来ない?」

ラグジュアリーブランドのPR、という強く見られがちな外見とは裏腹に押しに弱いレイナ、27歳。学生時代から付き合っていたシンジと、つい最近別れたばかり。

自由の身になった彼女のスケジュール帳はデートの予定で次々と埋まっていくが、皆なぜかレイナに自分の部屋を見せたがる。

「部屋を見れば、その人の全てが分かる」とはよく言ったものだが、レイナは男たちの選ぶ街と部屋を見ることで、次第にその正体を知っていくことになる。

前回デートした広告プランナーの修二の部屋からは意外な過去が明かされた。今回の相手は…?


「西麻布在住」は、アラサー独身貴族のシンボルマーク?


今年で27歳、社会人5年目になるレイナ。

最近、レイナの周りには西麻布に引っ越す男の子がやたらと多い。仕事も軌道に乗り、年収も徐々に上がってくる20代後半。長年付き合っている彼女と結婚するか、独身貴族を大いに楽しむかで住むエリアは大いに異なってくる。

後者を選んだ者たちにとって、六本木・麻布十番が徒歩圏内の西麻布に住むことは一種のステイタスなのだろう。彼らの口ぶりからそう感じることが多い。

東大卒のエリート銀行マン、健太との出会い


友人の紹介で出会った健太もそのうちの一人だった。年は3つ上の30歳で、東大卒のメガバンク勤務。入社してすぐ大阪に転勤になったが、この春の異動で東京に戻ってきたという。

彼は背が高く顔も悪くないのだが、東大卒のメガバンク勤務という堅い雰囲気を払拭できない何かがあった。

本人もそれを気にしているのか、わざとふざけた感じで絡んできたり、「俺はちゃらんぽらんだから」などと事あるごとに言ったりするのだが、そのポイントが微妙にずれていて余計に真面目さを引き立ててしまう、そんな男だった。

しかし、真面目で少し滑稽な彼をレイナは微笑ましい気持ちで見ていた。新卒のときからずっと大阪にいたはずなのに、レストラン選びのセンスは王道で女子のツボを外さない。

1回目のデートは渋谷の『ドンチッチョ』、2回目のデートは代官山の『IVY PLACE』でランチをした後にショッピング。3回目はみなとみらいまでドライブデート。

毎回何をするかきちんと計画して、お店も予約してくれる。大学生の頃のデートのようだ。

きっと彼なりのデートマニュアルがあり、それを一つ一つこなしている最中なのだろう。そんな感じがして少しおかしかった。

西麻布と言う地を選んだのも、「乃木坂から大手町まで一本で行ける」とか「遅くまでやっている飲食店が多いから」などと話していたが、何事も王道を好む彼だ。30前後の男性が住む街として憧れがあったのだろう。

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