2016.10.01
美人探偵・貴崎桜子の事件簿 Vol.1意味が分からないながらも私はしばし考えた。
桜子に情けない姿を見せるわけにはいかない。
そうしてなんとか「地下室」という答えを導き出した。
「あら、なかなか早いじゃない?」
桜子はそう言って笑顔を向けてくる。私は涼しい顔をしているが、心中は大混乱だ。
森上さんは「すごいですね。どうしてわかるんですか?私にはまったく意味が分かりません」と大げさなくらい驚いた。
私は、自他共に認める褒められて伸びるタイプ。
森上さんに「いえいえそんな」と謙遜しながら、手の届かない所を掻いてもらえた気持ちよさを味わった。
「確かに、この店には古い地下室があります。普段使っていないので、この店の人間でさえも滅多に出入りしませんが…。」
「じゃあ早速、その地下室へ行ってみます?私も一緒に行っていいかしら?」
桜子は少し楽しんでいるような表情で森上さんを見た後、私の方をちらりと振り返り、囁くように言った。
「あなたも、もちろん行くわよね?」
私が会心の微笑みで「もちろん」と言うと、彼女もニコリと笑顔になった。その時、彼女の白い歯がちらりと見えた。
◆
森上さんに導かれながら、私と桜子は地下室に向かった。
「誰が何のためにやっているのかわからないけど、なんだか手の込んだことしてくれるわね。それにしても、せっかくの地下室なのに普段使わないなんて勿体ない。ワインを保管しておくのに良さそうだけど。」
桜子は階段を下りながら呟いた後、急に何かを思い出したような顔をした。
「そういえば、さっき飲んだディアブロにもワインの保管にまつわる話があるんだけど、あなた知ってる?」
桜子が濡れた瞳を向けてくる。薄暗い空間で彼女の瞳はキラキラ輝き、私は正直会話どころではないのだが……。
「知らないみたいだから、教えてあげる。あのワインは、チリの名門ワイナリーで作られているんだけどあまりに美味しいから、貯蔵している蔵から勝手に盗み飲みする人が絶えなかったの。頭を悩ませていたオーナーは”この蔵には悪魔が潜んでいる”っていう噂を流した。その噂は炎のように広がり、それ以来悪魔を恐れて人々は近寄らなくなり、ディアブロは守られた……というワケ。」
一通り語り終えると、彼女は満足そうな笑顔を見せた後、さらに私をドキリとさせる言葉を付け足してくれた。
「もしかしたら、ここにも悪魔がいたりしてね。」
新たな謎出現?!その時彼女は、優しく微笑む
地下室の扉の前に着くと、またもや森上さんが驚いた声を出した。
「そんなはずは……。」
扉に付けられた鍵を見ながら
「おかしいな。普段は施錠なんてしていないのに。」と言っている。
森上さんは力いっぱい鍵をこじ開けようとするが、当然開くはずはない。
ーいや、そんなんじゃ開かないでしょう……。
そう思っていると、さすがに彼もあきらめたようで、顎に手を当て考え始めた。
「もしかしたら、盗難防止のためにオーナーが施錠したのでしょうか。…ん?なにか床に紙が落ちているぞ。前に来た時にはこんなものはなかった。」
呟きながら彼は紙を拾い上げた。どうやらそこには、文字が書かれているようだ。
桜子は森上さんから紙を受け取り、同じように考え始めた。
「なるほど、新たな謎っていうワケね」と楽しそうに小さく頷く。
私は、何が起こっているのかわからないでいると、桜子が首をかしげていたずらっぽい微笑を向けてくる。
彼女の顔を見て、思わずごくりと喉を鳴らしてしまった。
―まずい。こんな音を聞かれるなんて、そんなダサいことあってはならない……。
難易度★★☆☆☆
「この謎を解いて出た答えが、あの鍵を開けるためのコードになるんでしょうね。」
手に持った紙とドアの鍵を交互に見て、桜子は呟いた。
幸か不幸か、私の喉の音なんて気にもとめていないようだ。
「これは、なかなかの難問よ。もしも破ることが出来たら、あなたに恋しちゃうかも」と、桜子はウィンクしてきた。
だが、私の中には困惑しかない。さっきから出てくる謎って、何だい??
それでも、男にはやらねばならない時がある!
解こうじゃないか、そして私に恋をしてもらおうじゃないか!
謎が解けたら下の回答欄に正しい解除コードを入力し、解除!ボタンを押そう!
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