青山ヒロム Vol.10

青山ヒロム:夏の終わりのアバンチュールの終焉。恋が終わるならせめて夏がいい?

青山ヒロム。38歳。年収4,000万。恵比寿で眼科を開業中。

これは、東京で咲き誇るゴージャスな女たちと、アンタッチャブルな男たちが繰り広げる、ファンタスティックで時にはHARD THINGSなLOVE AFFAIR。

ヒロムは23歳から37歳まで、4人の女性で安定したポートフォリオを組んでそれなりに楽しんでいたが、男友達・植木くんからヒロムの心の平穏を脅かすと指摘された、女友達で元カノ32歳ホテル会社勤務「慶子」。

慶子から距離を取り、他の女性に目を向けようとするが・・・

ラグジュアリーな午後に・・・


「ラグジュアリーな午後に」

「乾杯❤︎」

サタデー・ランチ。

金曜日の夜ハメを外して飲みすぎて、頭がガンガンしている僕だが、悪友の植木くんからの誘いでは、断れまい。

もえが置いていってくれたシジミの味噌汁を胃に流し込んで、指定された天王洲の『T.Y. Harbor』に向かった。席に通された僕は、いつの日かの赤坂の夜のデジャブかと思った。なぜならそこには、植木くんだけじゃなくて、女性が、菜々緒がいたからだ。

植木くんと菜々緒が繋がっていたことに若干の驚きを感じながらも、席について、ハンバーガーと、ジンジャエールをオーダーする。頭の中を整理して質問する。


「君らが何で一緒にいるんだ?」


9月も中旬。まだまだ太陽は強いが、時折風に冷たさが入り混じり、心地よい昼下がり。

植木くんは、唐辛子を漬け込んだ辛いオリーブオイルをたっぷりとマルゲリータにかけて頬張りながら、「wait a minute」と掌を僕に立てた。モッツァレラチーズがたっぷりと使われ、トマトで真っ赤に塗りつぶされたピザは香ばしい匂いを漂わせていて、二日酔いの胃がむくむくと食欲を取り戻していくのがわかる。

隣の菜々緒に目を移すと、共犯者めいたようなイタズラな笑みを浮かべている。カーディガンを羽織ってはいるが、その下は肩と鎖骨がくっきりと出るベアワンピースで、自信に裏打ちされたボディに目が覚める。そんな細い体に似合わず菜々緒は、大きな豪州産牛のサーロインステーキを豪快に口に運んでいた。



「ヒロム氏が、軽井沢の件、教えてくれないから、気になって、菜々緒さんに直接聞いちゃいましたよ。」

植木くんは、白いナプキンで口を拭うと屈託のない笑顔で笑った。菜々緒を前にして、この男は何を言い出すんだとヒヤヒヤする。

「冗談です。たまたま、僕のガールフレンドと飲んでいたところ、菜々緒さんが合流して3人で飲む機会があったものですから、ランチも3人でと思ったわけです。」

植木くんと楽しそうに目を細める。

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