2015.10.21
SPECIAL TALK Vol.13環境に順応するには、違う点よりも共通点を見つけることが大切
金丸 アマゾン ジャパンには、どのようなきっかけで入社されたのですか?
チャン:1995年にP&Gの日本洗剤部門ファイナンス・マネージャーとして日本に赴任しました。その頃、私はインターネットビジネスに興味を持ちはじめていましたので、知り合いを通じてアマゾン ジャパンの立ち上げメンバーに出会い、インターネットビジネスの可能性と彼らの情熱に感銘を受けました。そうして2000年にファイナンス・ディレクターとして入社し、半年後には社長に就任しました。
金丸:着々とキャリアアップをされていますね。いままでのキャリアでは、アマゾン ジャパンが一番長いということになりますね。
チャン:そういえばそうですね。全然意識していませんでした(笑)。
金丸:会社を変えるということは、文化も風土もまったく異なる場所に行くことです。歴史ある会社から、アマゾンのようなインターネット時代の象徴のような会社に移った際、どのように順応されていかれたのでしょうか?
チャン:もちろん、企業文化や制度など違うところはたくさんありますが、逆に共通する点もたくさんあります。たとえば、P&Gとアマゾン ジャパンは、両社ともエンドユーザーフォーカスの企業です。どちらもコンシューマーの利便性を高めることを常に考えていますし、不可能を可能にするイノベーティブな会社です。違う点を見つけるよりも、共通点や類似性を見つけることができれば、環境に順応するのはそれほど難しいことではありません。
金丸:アマゾン ジャパンは、シアトルにある本社と似たような雰囲気なのですか?
チャン:ほとんど変わらないですね。自由な雰囲気があり、何よりスピードを重視しています。現在、世界13ヵ国に拠点を構えていますが、一貫して「地球上で最も顧客を大切にする企業である」ことをミッションステートメントとして掲げています。
金丸:1995年にアメリカでAmazonが生まれ、情報のプラットフォームを構築しました。最初は大きなリスクを負い、長年赤字も続きましたが、それでもエンドユーザーの満足を求め続け、次第に世の中に欠かせない存在になりました。また2011年からは、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)というクラウドコンピューティングサービスも提供し、多くの企業がアマゾンのITインフラ上に自社のシステムを配置しています。すでにECカンパニーの枠を超えて世界最大のITサービスを提供する会社になっていますが、アマゾン ジャパンにおける、ジャスパー社長ならではの“色”というと、どのようなところでしょうか?
チャン:徹底して心がけているのは、フラットな組織であることと、常にスピードを重視してコミュニケーションをすることです。私たちのビジネスには、グローバルカスタマーはほとんどいません。どの国においても、いかにローカライズをしていくかが課題になります。特に日本のマーケットは、アメリカやヨーロッパと性質が異なり、より細かなニーズがあります。Amazonの持っている技術をフルに活用し、素早くカスタマーのニーズに応えていくのが私たちの使命だと考えています。
金丸:日本のアマゾンでは、朝注文した品物がその日の夜に届くこともあります。かたやアメリカでは、注文日当日には届きません。物流という観点で見れば、日本の方が進んでいるわけです。
チャン:東京をはじめ、ニューヨークやロンドンなどの大都市では、ますます高速の宅配サービスが求められています。都市に住む人たちにとって、時間が重要であり、時間を節約したいという方が多い。ですから、こうした要望に応えられるよう、今後も宅配の利便性を高めていきたいと思っています。
金丸:私は政府の農業改革にも携わっているのですが、ITを駆使すれば、全国の農家の人たちが作った農作物をダイレクトにエンドユーザーに届けることができるのではないかと考えています。Amazonのビジネスモデルを使えば、朝収穫した野菜をすぐに家庭に届けることができますし、食の趣向を踏まえて「こんな野菜はいかがですか?」と提案することもできます。
チャン:実はアメリカには、生鮮食品を取り扱う「アマゾンフレッシュ」というサービスがあります。シアトルで始まり、いま複数の都市にどんどん広がっています。生鮮食品を扱うには、最適な施設や品ぞろえ、物流システムなど検討すべき課題が多いのですが、非常に良い事業モデルだと思っています。日本の農業の技術は、世界から見てもトップクラスですし、農業分野はまだまだ大きな可能性を秘めています。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2025.03.21
Vol.126
~「できない」「分からない」の楽しさを伝えたい。万博プロデューサーとして想いを「クラゲ」に込める~
2025.02.21
Vol.125
~卒業して気付いた「まだまだ何でもできる」。元アイドルの肩書に縛られず、自由に挑戦を続けたい~
2025.01.21
Vol.124
~丹後を日本のサン・セバスティアンに。地方の「お酢屋」がまちづくりを考える~
2024.12.20
Vol.123
~モデルから放送作家へ。異色の経歴は恐れずに踏み出した証拠~
2024.11.21
Vol.122
~自分の体を認めることが、自分を好きになるための第一歩になる。~
2024.10.21
Vol.121
~スポーツの喜びをより多くの人が体験できるよう、これからも挑戦はやめない。~
2024.09.21
Vol.120
~日本の農業が続くための仕組みを作り、アップデートできるよう挑み続ける~
2024.08.21
Vol.119
~すべてを制覇したい気持ちは変わらない。経営陣になっても燃えたぎる闘志がある~
2024.07.20
Vol.118
~歌舞伎役者を夢見た少女だから、歌舞伎役者の母としてできることがある~
2024.06.21
Vol.117
~1杯で幸せになる利他的なコーヒーを目指して~
おすすめ記事
2015.09.21
SPECIAL TALK Vol.12
~人間の本質は常にチャレンジすることである~
- PR
2025.03.31
結婚1年目から、激務のせいでギスギス…。崩壊寸前のパワーカップルを救ったアイテムとは?
2024.05.02
日本酒好きな彼女とのデートにおすすめ!ゆったり落ち着けるカウンター和食3選
2015.02.05
絶対に負けられない接待が、今宵はある
絶対に負けられない接待が、今宵はある:『琥珀宮』編
- PR
2025.03.31
えっ、あの“ミャクミャク”の部屋に泊まれる!?どっぷり万博に浸れる、いまだけのホテルステイとは…
2023.09.27
ハラスメント探偵~通報編~
接待で相手を喜ばせようとした言動をセクハラだと訴えられた。その内容とは!?
- PR
2025.02.12
【豪華プレゼントが当たる】「所有欲が掻き立てられます…」人気セレブ夫婦が魅了された“マセラティ”の車とは
2015.11.27
金曜美女劇場
伝説と呼ばれた銀座の美ママが語る“出世する男”の条件とは?
- PR
2025.03.27
7種類ものフレーバーが楽しめる! この春、台湾生まれのフルーツビールが話題!
- PR
2025.03.28
ほろ酔い美女の正体とは!?17LIVEの人気ライバー4人を、港区のバーにお連れしてみたら…
東京カレンダーショッピング
ロングヒット記事
2025.03.19
運命なんて、今さら
初めて彼のマンションを訪れた28歳女。しかし、滞在10分で、突然「帰りたい」と思った理由
2025.03.22
男と女の答えあわせ【Q】
「豊洲に住んでいる」と33歳男が言った途端に、デート相手の女が戸惑ったワケ
2025.03.23
男と女の答えあわせ【A】
「年収800万くらいでもいいかな…」相手に求める条件を妥協したつもりの30歳女の大誤算
2025.03.17
1LDKの彼方
「何もないって言われたけど…」彼氏が他の女と連絡を取っていたことが発覚。30歳女は思わず…
2025.03.20
TOUGH COOKIES
「幸せそうな彼女がなぜ?」SNSで悪質コメントの犯人を突き止めたら、意外な人で…