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ヴィンテージバッグ Sandast Vol.1

ヴィンテージバッグ Sandast:「三種の神器」のブランドバッグを持つ男は、恋愛対象外!?

バッグ好きな女たちの、男性バッグ品評会


酔いも回ってきたのか、一番若そうな玲奈という女が、男性のファッションについて高飛車に語り始めた。


「男の人はやっぱりまず時計と靴見ちゃいますよねー。雑誌にもそこを見ろってよく取り上げられているし(笑)。あまりお洒落じゃなくても、30歳過ぎてそれなりに地位があると、高級な腕時計付けてたり、いい靴を履いている人が多いですよね。」

たしかに、一流ビジネスマンは靴や高級時計に気を遣う輩は多い。 すると隣にいた亜希子という女性が、ゆったりとして口調でこう言った。

「腕時計や靴もそうだけど…。バッグのセンスがいい男性って、あまり出会ったことがないです。自分の職種をひけらかして、威張っている男性が食事会には少なくないんですが、バックはダサいという人が多くて幻滅してるんです。私自身も大好きだから、バッグのセンスがいい人がいたら、惚れちゃうかも。」

亜希子は幹事だが、出しゃばり過ぎず、全体を見ながら時折会話に参加する程度だった。だからこそ、この言葉は本心だろう。

この食事会で、亜希子が最も美しくセンスのある女性だと思っていた。矢田亜希子を彷彿とさせる清楚さと派手さがバランスよく整った顔立ちに、若い玲奈とは違う育ちの良さを感じさせる言葉遣い。

スチュワーデスとの食事会は、幹事MAXの法則で、自分より可愛い子を連れてこないという説もある。しかし、他の子達も遜色なく、今日の食事会のレベルは悪くなかった。

だが、一人選べと言われれば、間違いなく亜希子だ。できれば後日、彼女をデートに誘いたいと思い始めていた。

どこのセレクトショップでも売ってる、「三種の神器」バッグブランドとは


「男をバッグで見るんだ。面白いね。もっとその考え、聞かせてよ」

男性側の幹事である聡が、珍しく話を膨らませようとした。聡はアパレル商社を営む35歳の二代目経営者。職業柄、亜希子のファッション話には興味津々だ。

「男性モノのバッグって、女性モノより少ないんです。若手の社会人によくありがちなのが、『社会人男性三種の神器バッグ』ですね」

亜希子曰く、三種の神器バッグは『ダニエル ボブ』、『フェリージ』、『オロビアンコ』の3ブランド。これらは都内の主要セレクトショップなら大抵どこでも扱っている。

価格はオロビアンコのナイロンバッグで安くて5万円代からで、ダニエルボブはオールレザーでも8万円代。

「スーツやシャツは、ぱっと見どこのブランドか分からないけど、バッグはすぐに分かります。新卒1年目ならまだしも、経営者の方がオロビアンコのナイロンバックとかだと…。ちょっと威厳がないですよね。」

口数の少なかった亜希子がバッグの話になると途端に饒舌(しかも少し辛口)になる。

鞄という字はよく見ると「革に包む」、だ。確かに、経営者がナイロンバッグは少し恥ずかしいかもしれない。

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ヴィンテージバッグ Sandast

女性と異なり、ファッションに気を遣う男性は数少ない。そんな東京男児のファッションアイコンとして象徴的なアイテムは、時計、靴、そして鞄。

しかし、鞄の選択肢は、実は時計や靴ほどには多くない。

どんな鞄を持つかで、男の品格が問われる。没個性的なバッグを持つ男は、没個性的な男だと思われてしまう。

東京で一歩差をつけるなら、他人が持たないようなバッグを持っておきたい。

そう、「Sandast」のような上質なヴィンテージバッグは、2016年現在、狙い目かもしれない。

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