東洋経済・東京鉄道事情 Vol.27

“美人パーサー”に聞いた!彼女の眼から見た、新幹線の客層の違いとは?

新幹線の座席には指定席と自由席があるが、その差はそれぞれの乗客の行動にも表れるという。指定席車両は乗客が移動しても席が確保されていることから、買い物などに積極的だ。ホーム上の売店も、指定席車両のあるそばに設けられる。一方、自由席の乗客は積極的に動くことはなく、どうしても買い物の機会は減りがちだ。

このあたりについて、商品を販売する側はどのように感じているのだろう。薊さんは「指定席のお客様は、買い物ひとつであっても計画的に行動されていると感じます。自由席のお客様は、ホームで列に並ぶことを優先されますから、飲み物などの買い物は後回しとなりがちで、その分、車内販売の需要が高くなりますね。自由席のお客様にはパワーを感じます」と語る。

一方、グリーン車の場合はまた違いがあるようだ。「グリーン車のお客様は、私たちとの接し方に余裕を感じます。私たちの仕事にはグリーン車のお客様へのサービスもあるのですが、私たちからおしぼりを受け取る短い時間のあいだで『ありがとう』と感謝の言葉を頂くことがあります」と薊さんはいう。

―― 名古屋の手前でコーヒーが売れる?

では、列車の時間帯の違いによって、乗客のニーズはどう変化するのだろうか。

「平日の朝であれば、圧倒的にビジネスのお客様が多いですから、ワゴン販売ではコーヒーのニーズが高くなります。逆に夕方は気分転換をしようということで、アルコール類が売れるようになりますね。昼間はビジネスとレジャーの半々という印象ですね。人気商品はコーヒー。朝であればサンドイッチとコーヒーのセット。夕方であればビールというところです。それから北海道の日本酒も人気がありますね。お客様から『おいしいね』と言って頂いたこともあります」(薊さん)

車内販売のワゴンには50種類くらいの商品が載せられているが、品揃えは季節によって変わるほか、期間限定の販売品や、キャンペーン商品が扱われることもあるので、定番商品以外は、いつも何かが入れ替わっているという。コーヒーはホットであれアイスであれ、定番の人気商品であるが、これも「キャンペーン期間は豆が変わることもありますから、これもいつも同じ味というわけではありません」という。

さらに、コーヒーには売れるタイミングがあり、名古屋駅の手前で売れ行きが活発になることもあるのだとか。これは、車内販売のワゴンが浜松を過ぎたあたりで自由席に到着することや、名古屋で下車するビジネスマンが、最後に一杯のコーヒーを飲もうとすることなどが絡み合ってのことであるようだ。

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