崖っぷち結婚相談所 Vol.3

崖っぷち結婚相談所:男の賞賛と畏怖の眼差しが、女の自尊心を満たす?!エリート女の暴走デート

典型的な結婚できない女、杏子、32歳。

慶應大学卒業後、丸の内の某外資系金融でセールス職に就き、年収は2,000万円を優に超える。

美人だがプライドが高くワガママな彼女は、男運が悪く全くモテない。さらにハイスペックゆえ、男が近寄りたくない女ナンバーワンとまで噂されている。

恋愛市場で負け続け、さすがに危機感を持ち始めた杏子。そんな彼女は婚活に本腰を入れ、結婚相談所に登録をしたが...?


-明日ですが、11時に帝国ホテル1F『ランデブーラウンジ』にて、飯島様とのお席を予約しています。宜しくお願い致します-

明日は初めて、結婚相談所で紹介を受けた飯島という35歳の経営者と会う予定だ。彼は先日杏子が「会いたい」のオファーの中からYESの返事を出した男性で、前日に婚活アドバイザーの直人から詳細のメールが届いた。

結婚相談所のサービスは、予想をはるかに上回るほど徹底していた。場所も時間も直人が仕切ってくれ、杏子は言われた通りにそこへ向かうだけで良いというシステムだ。

ふだん杏子は、男性と二人で会うまでのやり取りが苦手だった。スムーズに日程が合わなかったり、相手のレスが遅いとイライラしてしまうからだ。その点、結婚相談所を介するデートは、ストレスやプレッシャーは一切ない。



当日の土曜の朝、杏子は期待でやたらと早く目が覚めた。一応、今日の面談もデートにカウントされるのだから、着飾るに越したことはないだろう。杏子は朝から自宅の神谷町付近をランニングし、半身浴で汗を流し、念入りに化粧や髪型を整えた。

服はイタリア製の、身体のラインを美しく見せてくれるベージュのスーツを選んだ。直人に暗い色はNGだと言われ新調したものだ。清楚さを意識して、ミキモトのパールのピアスを付ける。時計とバングルは、エルメスで揃えることにした。オールレザーのエルメスのガーデンパーティの持ち手には、スカーフをクルクルと巻く。最後に、ルブタンのベージュのハイヒールを合わせた。完璧だ。

玄関の全身鏡に自分の姿を映し、ニッコリと微笑んでみる。

鏡に映る自分は、やはり身近な女たちの中で、誰よりも美しいと杏子は思う。ほっそりと引き締まった身体に、色白の肌と、艶やかな黒髪。顔は中谷美紀や木村佳乃に似ているとよく言われる。決して自惚れではないはずだ。

朝から運動をしたので、コンディションは何もかも最高だった。

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