崖っぷち結婚相談所 Vol.2

崖っぷち結婚相談所:結婚相談所という禁断の領域。エリート美女が、市場価値を算出される!?

遠慮なく浴びせられるアドバイス。それは信用に繋がる...?


杏子は気づけば、直人に言われるままにプロフィールシートを事細かく記入し、入会の手続きを取っていた。

その場でプロフィール写真を撮影することになったが、会社帰りの黒いスーツのままでいると、直人がシフォン素材の薄紫色のブラウスを持って来て、それに着替えるように指示した。

「今後、黒などの暗めの色は、あまりお召しにならないようにしてください。杏子さんは髪も黒いので、魔女のような印象になります。」

「え......?」

直人はやはり失礼な物言いの男だが、しかし、ここまで率直に杏子に意見する人間に会ったのは久しぶりだった。

昔は厳しかった親ですら、超エリートと化した杏子に今では何も言えず機嫌を取ろうとする。会社の上司ですら、その傾向があった。杏子は直人の言葉に怯え苛立ちながらも、この相談所に信頼が芽生え始めた。

どっさり届いた、「会いたい」のオファー


入会後、杏子の元へは、どっさりと男性からの「会いたい」というオファーが届いた。

直人がそのオファーを整理し、杏子の元へ数名のプロフィールシートを送ってくれた。年齢は30代半ばから40前半で、医者や弁護士、経営者といった、意外にもハイスペックな男性ばかりだ。

そのプロフィールシートを見ているだけでも、かなり興味深い。こんなに男たちが独身で、結婚を求めているだなんて。

杏子自身も結婚相談所への身元の証明として、大学の卒業証明書、社員証、住民票、独身証明書のコピーまで提出を求められていたので、紹介される男性は信用が置けた。

送られてきた書類には「この人と会いたいですか? YES or NO」と記載されたシートが入っており、いずれかに丸をつけて返送するらしい。YESの場合は、希望日時の候補日まで記載する形式だ。

杏子はプロフィールを吟味した上で、35歳の経営者のシートにYESの丸をつけて返送することにした。写真の顔は爽やかで、年収は約4,000万円とのことだ。理想を余裕で満たしている。

悪くないサービスではないか。しかも、意外に面白い。

杏子は数日前の落ち込みが嘘のように、これから始まる婚活への希望に気分が高揚していた。


-次回8.16更新予定、杏子はとうとう一回目のデートに繰り出す?!

【これまでの崖っぷち結婚相談所】
vol.1:美貌とキャリアを手にした女の哀しいプライド。そして、その本音。

『メゾンカイザー カフェ』
人気ブーランジェリー「メゾンカイザー」が展開する、パリの雰囲気を味わえる新スタイルのカフェ。料理との相性を考えた、10種類以上の天然酵母のパンがお代わり自由。サラダからステーキ、デザート、そしてお酒まで楽しめる。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

Pencilコメントする

コメントはまだありません。

【崖っぷち結婚相談所】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo