東京結婚式明細 Vol.14

東京結婚式明細:「綺麗すぎて、涙が出ちゃう。」最後の砦と言われた悪友・朋子の結婚式

理想的な結婚を、適齢期にした沙織。

誠実で、外見も稼ぎも良い夫と安定した結婚生活を送っている。

これまで悪友朋子と数多の結婚式に出席し、ああだこうだと批評を重ねてきたが、今回はそんな朋子に吉報が舞い込む...?!

前回 vol.13:独身女の心が崩壊?結婚式で配慮すべき最重要事項


「沙織......。ねぇ、これって夢じゃないわよね......?」

朋子からの電話は深夜1時を過ぎていた。ちょうどベッドに入ろうとしたところだ。その夜は嵐のような天気で、強い雨風が窓を激しく叩いていた。

朋子は珍しく細い声でモゾモゾと話しており、内容がよく聞き取れない。寝ぼけているのか、酒にでも酔って電話をよこしたのか、それとも悪天候のせいで電波が悪いのか。

「何わけ分からないこと言ってるの。夜中にどうしたの。」

「.........たの。」

「え?ちょっと聞こえないわよ。大丈夫?」

「......あっくんに、プロポーズされたの。」

窓の外で激しい閃光が光り、大きな雷が落ちた。私は芯から身体が震えた。



あの嵐の夜の朋子の衝撃の告白から数ヵ月あまり、朋子は結婚式に向けて、ワザとらしいほど女らしくなった。会社帰りにお料理教室やエステに通い、せっせと花嫁になる準備を進め、結婚式の準備も周囲を巻き込み盛大に行っている。

「独身最後の砦の私が結婚するんだから、皆の期待に応えて、感謝の気持ちを表す式にしたいのよ。」

そう言って少女のように目を潤ませる朋子の頭は、今やお花畑状態だ。

少し前まで、花嫁へのメッセージや動画集めの協力依頼の連絡がある度に「一生に一度の免罪符だなんてよく言ったものね。面倒ったらありゃしないわ」などと軽口を叩いていたにも関わらず、すこぶる変わりようだ。

しかし舞い上がるのも無理はない。朋子の結婚相手の男は、なんと先日フラれたと大泣きしていた会社の後輩である明浩なのだ。

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