バルージョ麗子 Vol.1

バルージョ麗子:バル大好きな女が行きつけのバルで出会った「Mr.アベレージ」との朝


女の幸せはキャリアか?それとも結婚か?

婚活に燃える同僚、キャリアに突っ走る先輩の間でどちらも選びきれない32歳の麗子。彼氏ナシ。

そんな彼女を癒すのは、その麗しき名前に似合わない?賑やかなバルでの心地よいひと時。「お酒を飲んでいる時間がいちばん楽しい!」と、現実逃避のごとく、今宵も一人、素敵なバルを探して東京を彷徨う。

これは、酒とバルが大好きな、アラサー女のお話。


参った。これでもうあの店には行けない。麗子は、いつもより明らかにお洒落をした同僚たちが、一人また一人と金曜の夜の街へ繰り出すのを見つめながら、人が少なくなったオフィスで、デスクに突っ伏して大きなため息をついた。

「あぁ、お気に入りのお店だったのに……」

先週の土曜日


先週の土曜は久しぶりの快晴だった。青く澄んだ空に気分が高揚し、麗子は定番の目黒川コースではなく、自宅から五反田あたりまでの往復8キロほどの距離を走ってみた。

ランニングを始めて2ヶ月。週末しか走れないが、汗を流す快感と少しずつ距離を更新する達成感にはまっている。家に戻ってシャワーを浴びると、程よい疲労感とともに「きりっと冷えた泡が飲みたい!」という衝動にかられた。

結構な距離を走ったのでしっかりしたものが食べたい。『ダ・イーサ』のピザが食べたいけどきっと混んでいるだろうし、『マザーエスタ』は先週行ったばかりだ。

迷ったあげく、最近お気に入りの恵比寿の『ドランカー』に行くことにした。カジュアルなバルだが、きちんとした食事がとれ、ワインのセレクションもなかなかのこの店は、最近、麗子の大のお気に入りだ。

お店自慢のモヒートを思い出しただけで、ごくりと喉が鳴る。最近ではスタッフとも仲が良くなってきたので、一人でも楽しい夜を過ごすことができる。

お店を決めると、とたんにお腹が減ってきた。麗子は、軽くメイクをしただけのカジュアルな装いで颯爽と町へ出かけた。

土曜日20時。

深夜に混むことが多いこの店はまだ満席でこそなかったが、すでに週末らしいにぎやかな雰囲気を放っていた。スパークリングワインが飲みたい、と思っていたが、ここへ来るとどうしてもモヒートが飲みたくなる。結局、誘惑に負け1杯目はモヒートにした。

ミントがやけくそみたいに山盛りにされたモヒートに洗練されたお洒落さはないけれど、アメリカやメキシコのバーで飲むようなパンチの効いた本場感がある。

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