フリーアナウンサーの闇 Vol.1

フリーアナウンサーの闇:笑顔で原稿を読みながら隣を蹴飛ばす。 元地方局女子アナの過酷すぎるバトル

人の不幸は蜜の味


あまりのショックで動けなくなった理香だったが、実は玲奈のMC略奪計画は、ランチの時に理香にかかってきた電話の内容を聞いた時から決まっていた。

玲奈はランチ解散後、自分のマネージャーに連絡を取り、その制作会社とのツテを探させ、どうしてもそのMCがしたいとマネージャー共々売り込みに行った。

最初は理香にほぼ決まっていたため難しいと言われたが、理香が断った日から状況は一変。すぐに会食の場を設けてもらい、その晩、プロデューサーの願いに素直に応じてあげた。

玲奈は、理香の性格的にそれ以上のことはできないことは知っていた。容姿も実力も理香の方が少し上だが、理香には最後まで突き進む勇気がない。

そのことをよく知っていた玲奈はそのプロデューサーに狙いを定め、虎視眈々とメイン・MCの座を狙っていたのだ。地方局アナなんて吐いて捨てる程いる東京で、生き残るためには汚い手も時に必要だ。


元地方局アナが生き残るために


元地方局アナには成功してタレント化する人(ごく一部)、地方に残り幸せに暮らす人 (約半数)、そして東京で一花咲かせようという野心と共にチャレンジする人がいる。

東京に来て、成功している人はほんの一握りに過ぎない。自分の限界を見極めることができ、アナウンサー以外のことに目を向けることができた人は良いが、地方で一度夢を掴んでしまった彼女達はアナウンサーという輝く呪縛から逃れられずにいる。

そして地方局アナ出身者という少ないパイを奪い合う結果になる。

オーディデョンで一緒になれば、お互い笑顔で頑張ろうねと言う。しかし内心では落ちてほしいと願っている。そうでないと自分の仕事がなくなってしまうので、生き残るために仕方ないのだ。

決して表に醜い感情は出さず、純粋無垢を演じ続けるフリーアナウンサー達。

何にも守られておらず、自分の道は自分で確保していくしかない彼女達のサバイバル劇は、時に激しく、そして時に残酷である。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

Pencilコメントする

コメントはまだありません。

【フリーアナウンサーの闇】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo