フリーアナウンサーの闇 Vol.1

フリーアナウンサーの闇:笑顔で原稿を読みながら隣を蹴飛ばす。 元地方局女子アナの過酷すぎるバトル

女子アナ。

この響きに、人は夢と憧れを抱く。

美人で知的な高嶺の花というイメージが強く、女性はテレビに映る華やかな仕事に憧れ、そして男性はその一歩奥ゆかしい女性像に憧れる。

永遠に汚れのない純白な存在。そんな妄想が世の中に浸透しているが、実際のアナウンサーは少し違う。華やかな世界の裏で、笑顔で足を踏みあい、蹴落とし合いながら上を目指す。

そして近年では局に属さずに活動するフリーアナウンサーが増加し、一昔前のアナウンサー絶頂時代は終わりを迎え、戦国時代に突入した。

フリーアナウンサーは格差が強烈に激しい。そんなフリーアナウンサーの実態を、お届けする。


<今週のフリーアナウンサー>

名前:理香
年齢:27歳
前のステータス:東北の地方局アナ
出身大学:お茶の水女子大学
年収:150万円+アルバイト代180万円
趣味:ピアノ、習字

生き残りが厳しい地方局アナ


「こんにちは、斎藤理香です。東北地方のテレビ局に3年間勤めていました。特技は幼少期から続けているピアノです。」

赤坂の雑居ビルに入る製作会社の一室で行なわれている、BSの深夜番組のメインMCオーディション。いつものセリフを最大限に明るく笑顔で、理香の前に一列に並んで座っているディレクター陣に挨拶をする。

「へぇ〜特技ピアノなんだ。そしたら、先に渡しておいた原稿読んでくれる?」

毎度のオーディションの流れだ。

たった数行の短い冒頭コメントで、アナウンス技術が測り知れるのか疑問に思いながらもハイ、と元気よく答え、原稿を読む。大して理香に興味も持ってなさそうな右端に座っているディレクターと幾つか質疑応答を交わし、たった数分でオーディションは終了した。

また今日もダメだったかと思うと同時に、目に入った銀行のATMに入り、残高照会をチェックして更に落ち込む。

山形にある地方局の契約が切れ、東京に戻ってきてから約1年半が過ぎた。山形ではアイドル的存在だったが、東京には理香のような存在がごまんといる。そこそこ可愛い部類に入るが飛び抜けてはいない。辛うじて事務所には入れたものの、仕事がない。

元・地方局アナでごった返す東京。

ただ地方局アナという看板だけでは戦えない。山形から東京に帰ってきて待っていたのは、仕事もなければ憧れられ感もない厳しい現実だった。最近、理香はアルバイトでピアノの講師をしながら生活する日々が続いている。

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