
フリーアナウンサーの闇:笑顔で原稿を読みながら隣を蹴飛ばす。 元地方局女子アナの過酷すぎるバトル
突如舞い込んできたメインMC
オーディションの翌週、福岡県のテレビ局出身の玲奈とランチをしていると電話が鳴った。
玲奈とはアナウンサー試験時代によく一緒になり、お互いキー局(東京)、準キー局(大阪)もダメで地方局まで回った地方行脚チームだった。苦楽を共にした同志のような存在だ。辞めて東京に戻ってきたタイミングも一緒で、最近よく会っている。
プロデューサーからの話によると、先日受けたオーディションにいたプロデューサーが会いたいと言っているそうだ。ダメだと思っていた分、あまりの嬉しさに目の前にいた玲奈に伝えるとよかったね、と喜んでくれた。
プロデューサーとの打ち合わせは明後日の夜8時から『三田 ばさら』を指定された。緊張と興奮を抑えながら、黄色のスカートに白のサマーニットで向かった。
プロデューサーと寝る女
お店で会ったプロデューサーはまるで別人かと思う位雰囲気が違っていた。お酒も入っているせいか、機嫌も良い。
お酒を注ぎ、二件目のカラオケでは接待をしつつ盛り上げ、理香なりに一生懸命頑張った。早く帰りたかったが、BSとは言えメインMCになれるなんてまたとないチャンスだ。
全てはMCの座を手に入れるため。
アナウンサーとして、一度敗れた東京で絶対成功して見せるため。
ようやく長いカラオケが終わり、解散ムードになった時、プロデューサーが送ってくれると言うので一緒にタクシーに乗り込んだ。案の定、乗り込んできた瞬間に理香の膝の上に手を置き、顔を急に近づけてきた。
「すみません、私こうゆうことできないので...」
素直に断ると急に不機嫌になってしまったが、きちんと家まで送ってくれた。ほっと胸を撫で下ろし、一部始終を玲奈にメールで送る。「断ったの偉い!」と玲奈から言われ、安心した。
しかし翌日マネージャーから「MCの話、なくなったから。」と冷たいメールが来た。あの場で断ったことが原因なのか...断らずに受け入れていれば今頃MCになれたのか...悔しさと後悔が怒涛もなく理香を襲った。
そしてその1ヶ月後、オンエアが開始されたその番組をつけた瞬間、理香はあまりの衝撃で動けなくなった。
なんと、その番組のMCをしていたのは玲奈だったのだ。
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