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男の到達点『メガヨット』 Vol.12

こんなヨットで口説かれたい!誰にも邪魔されずに恋人と二人だけの時間を……

エンジンとコントロールルームはこのサイズの他の帆船とは違い、オーナーのリクエストによってしっかりと室内高を取ったエンジンルームとなっており、どの機械にも楽にアクセスできる。別室となっているコントロール室は防音かつエアコン付きで、機関長が安心してしっかりと仕事に集中できるようになっている。電気機器はゲストエリアから離れた専用の換気設備が整ったスペースに収納されている。エンジンはCATC18 Acert、715馬力だ。

マリーナを出る際のこのヨットは非常に静かだ。キャプテンがエンジンを止め、そして帆が上がる。ウィスプ号はゆっくりとヒールし、風の強さを肌で感じることができる。15ノットのスピードでヨットは進む。今回、穏やかな風のなかで15ノットということは、風が強いときのパフォーマンスは相当なものだろう。

「ヒュイスマンファミリーの一員として、このダイナミックなプロジェクトの一員になれたことに非常に光栄に思っている」とキャプテンは言う。「チームが一丸となって、オーナーの希望以上の素晴らしい船を造り上げることができた」 彼の言うことはもっともだ。ロイヤル・ヒュイスマンしか作り出すことのない最高の芸術品であるこのヨットは、オーナーの夢そのものだ。熟練の技術面、素晴らしいデザイン、細部まで施された職人技……、オーナーの情熱だけでなく、このプロジェクトに携わった全ての人々の情熱で出来上がった芸術品だ。

普段は大型のモーターメガヨットに焦点をあてている私だが、このウィスプ号では素晴らしいセーリングを経験させてもらった。またいつか……、いやすぐにでも、このウィスプ号に戻ってセーリングをしたいとうずうずしている

スペック

全長 47.65 m / 156.33 ft
全幅 9.50 m / 31.17 ft
喫水 4.45 m / 14.60 ft
構造 Aluminum hull / Aluminum superstructure
重量 235 ton
マスト高 57.5 m / 189 ft above CWL
メインセール 577 m² / 6,211 ft²
ハルスピード 14 knots
エンジン 1 × CATERPILLAR C18 Acert
出力 715 HP
レンジ 5,570 nm @ 10 knots
燃料容量 22,000 L
清水容量 8,000 L
オーナー&ゲスト 4 cabins for 8
クルー 3 cabins

■プロフィール
ナイジェル・ビーティー:1969年、英国ベッドフォード生まれ。これまでにメガヨットのキャプテンとして、米国東海岸、バハマ、タークス・アンド・ケイコス、カリブ海、日本、中南米、地中海、インド洋、ペルシャ湾を航海し、航海経歴は30万海里以上におよぶ。現在、ヨットセールス、チャーター、コンサルティング、マリンパーツ販売を手がけるスーパーヨット・ロジスティックス(SYL)を日本人妻と運営。

今回ご紹介したメガヨットは、「Perfect BOAT」2015年7月号に掲載されています。

男の到達点『メガヨット』

雑誌『Perfect BOAT』で人気連載中のメガヨット紹介コーナー。紹介してくれるのは英国海軍からチャーターヨットまで様々な船を渡り歩き、これまで30万海里以上にもなる航海経験をもつキャプテン・ナイジェル。

現在はマイアミに居を構え、世界のトップセレブリティを相手にチャーターやコンサルティングを手がける彼が、独自のネットワークでつながるメガヨットの世界を紹介する。壮大かつ華麗な、メガヨットワールドをご堪能あれ。

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