東洋経済・東京鉄道事情 Vol.19

コスパがいいのはこれだ!新幹線のファーストクラス、最も割安なのはどれ?

北陸新幹線E7/W7系のグランクラス(photo/梅谷秀司)

北陸新幹線の場合はどうなのだろうか。調べてみると、東北新幹線より割高な結果となった。これは、北海道に乗り入れる「はやぶさ」同様、JR東日本とJR西日本の2社にまたがるためである。

そんな中、一番割安だったのは、金沢発9時21分、東京着12時40分の「はくたか558号」。通過する駅が安中榛名、本庄早稲田、熊谷の3駅しかない上、長野で12分停車して、「かがやき508号」に追い越されるダイヤとなっているため、1分当たり135.5円と、東京―新青森の「はやぶさ」とほぼ同じ数字となった。

ちなみに、この列車で上越妙高から東京まで乗車した場合、JR東日本とJR西日本の2社にまたがらないため、グランクラスや新幹線特急料金が下がり、1分当たりの料金は125.9円となった。

ぜいたく感があるのは、スピード自慢の「かがやき」だ。東京―金沢を最速2時間28分で結ぶ「かがやき509号」と「かがやき514号」は、1分当たり182.2円。一番時間のかかる「かがやき」でも、1分当たり175.1円と、東京―新函館北斗の「はやぶさ」よりぜいたくな結果となった。

ゴールデンウイークや、それ以降に走る臨時列車を調べてみると、お得感があったのは、5月5日に運転される、盛岡発17時40分発、東京20時56分着の「はやて342号」が1分当たり117.1円と「やまびこ」並みの数値だった。

また、東北六魂祭にあわせて、6月26日に運転される、新青森16時25分発、東京20時20分着の「はやて380号」は、1分あたり113.2円と、東北新幹線で定期列車最安値の「やまびこ43号」よりも安い数値が出た。さらに、この列車を七戸十和田―東京まで乗車した場合は、1分当たり112.9円。現在のところ6月26日に「はやて380号」で七戸十和田から東京まで乗るのが、一番お得にグランクラスを楽しむ方法と言えるだろう。

車内でコスパのよい楽しみ方は

さて、肝心のグランクラスをどう楽しむか。車内はとにかく上品で、静かな空間を楽しんでもらうため、車内販売がやってこない。また、ソフトドリンクは小さいグラスに、氷を3個ほど入れ、そこにソフトドリンクを入れるため、すぐになくなってしまう。

アテンダントを何度も呼び出すのも、ドリンクを2、3杯一緒に頼むのも品がない。軽食も、6数種類の料理が、それぞれおちょこに入るぐらいの量しか盛られていない。

だが、アルコールは違う。ミニボトルや、350mlの缶とグラスを渡され、しかも飲み放題。なので、グランクラスを満喫したいなら、お酒を飲んでも大丈夫なタイミングで乗車し、軽食をツマミ代わりに楽しむのがオススメだ。

著者
渡辺 雅史 :フリーライター

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