こじらせマン Vol.1

こじらせマン:高スペックな敏腕プロデューサーのエキセントリックな結婚条件とは!?

数年前からよく耳にするようになった“こじらせ女子”。綾瀬はるか主演のドラマで一気に認知度が上がり、一時は流行語大賞にもノミネートされたこの言葉は、結婚したいのにできない、もしくはしようとしない、少々扱いづらい女性のことを指す。

そこから派生して、これまた最近よく聞くのが“こじらせ男子”。

仕事ではそれなりに成功し、ルックスも悪くない。彼らはごく自然に社会に溶け込んでいて、既婚男性と間違われることもしばしば。

しかし、一定のラインを超えてぐっと近寄ってみると、実はものすごいコンプレックスを抱えていたり、妙に偏屈だったり、とんでもないナルシストだったり、そのこじらせ具合が露呈される…。

この連載では、近年東カレ界隈で増殖するこの“こじらせマン”の実態を、同じくこじらせ女子であるフリーランスの雑誌編集者の絵美里(30歳)が毎回24時過ぎの都内の居酒屋を舞台に、紹介していく。


<今週のこじらせマン>

名前:亮太
年齢:36歳
職業:テレビ局社員(バラエティ番組ディレクター)
年収:1,200万
住まい:大井町
出身:滋賀
理想の結婚相手:ファッション感度が高く、リスペクトできる女性

仕事、ルックス、トーク力、全てを兼ね備えた36歳モテ男


絵美里が亮太から指定された六本木の串揚げ屋『角の蛸笑』に到着したのはちょうど25時を回った頃。入稿を終え、今日もなんとか終電に滑り込んだ。撮影の日は早朝からロケへ行き、校了作業があれば徹夜する…絵美里は昼夜関係ない不規則な生活を送っている。

アラサーにもなると周りの女友達の多くは結婚していて、こんな夜中に一緒に飲んでくれるわけがないし、遅い時間じゃなかったとしても当日呼び出すこと自体、なかなか憚れる。

毎日何時に仕事が終わるか読めない絵美里にとって、同じような業界で同じような働き方をしている未婚男性は、格好の遊び相手なのだ。仕事の知人を通して知り合った亮太との付き合いは5年程になる。

15分ほどして、亮太が現れた。「ごめん!」申し訳なさそうな表情を作りながら顔の前で両手を合わせている。LINEのやりとりの中で急遽、夕食を兼ねて飲みにいこうという流れになった。お互い恋愛感情のない男女二人がこうして待ち合わせる店は、大抵和食屋か居酒屋と決まっている。堅苦しいレストランや、雰囲気のいいバーなどは絶対選ばないのが両者暗黙のルールである。

「ねぇ、この前イイ感じだって言ってたスッチー、その後どうなった?」

ビールで乾杯を済ませた後、早速絵美里が問いかける。27歳の超絶スタイルのいいスッチーに猛アタックされているという自慢話を、1か月ほど前に聞かされていたからだ。

彼はここ数年でいくつものヒット番組を世に生み出し、業界内ではわりと有名な若手ディレクター。かの大物芸人や文化人からも信頼も厚く、局内には彼に憧れている後輩が男女問わずたくさんいる。

さらに亮太はファッションオタクで、服のセンスが非常に良い。激務ゆえにジャージのようなで服装で仕事をしている人が多い番組制作の現場で、彼は常にお洒落に気を使っている。

今日もジバンシィの白のカットソーに、サカイのネイビーのパンツを合わせ、足元はアディダスIDでオーダーメイドしたスニーカーをさらりと合わせる。シンプルながらもさりげなく個性を出す…。できそうでなかなかできるものではない。

「外見に気を使わなくなったら男として終わり。」といつも豪語している亮太は、睡眠時間を削ってでも毎日の筋トレは欠かさない。ゆえに30代半ばになっても、細マッチョ体型をキープし続けている。少々アクは強めだが、そのホリの深い顔立ちだって一般的に言うと“イケメン”の部類に入るはずだ。

バラエティー番組を担当しているだけあり、ユーモアのセンスに富んでいる亮太はトークがとにかく面白い。かといって独壇場でしゃべり続けるだけではなく、相手も立てつつ絶妙なタイミングでツッコミを入れたり、会話のキャッチボールスキルもかなり高い。

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