ハリネズミ男 Vol.3

彼女という責任を負いたくないハリネズミ男と、それに振り回される婚活女子

ハリネズミ男という言葉を聞いたことはあるだろうか?

おそらく聞いたことがない方がほとんどであろう。臆病で警戒心が強く、無理に触ろうとすると針で威嚇してくるハリネズミ。しかしその一方で、構うと喜ぶ可愛い一面も合わせ持つ。

バブル世代ほど貪欲ではないが、現代に定着した草食系ほど無欲でもない。硝子のハートを持ちながら、プライドだけは強靭で絶対に傷つきたくない。女性は好きだが、断られるのが怖くて一歩踏み込めない。彼らは、抱きしめられるのが怖くて、体を針で守る。

そんな取り扱い注意のハリネズミ男が近年、30代男性を中心に東カレ界隈で大増殖中だという。この連載は、そんなハリネズミ男の観察日記である。

初回は典型的ハリネズミ男のヒロキを事例に、ハリネズミ男の取り扱い方を習い、前回は最近の強過ぎる女子に萎縮しているタケルを観察した。

今週のハリネズミ男は……?


<今週のハリネズミ男>

名前:ショウヘイ
年齢:32歳
職業:大手メーカー勤務
年収:約550万円
住まい:品川駅近郊
出身大学:早稲田大学
理想の飼い主:美人で強気、でも可愛気がある人

向き合うのが面倒臭いハリネズミ男


「もー、その話この前したじゃん。」

相変わらず、人の話をあまり聞いていないショウヘイに少し苛立ちながら諦め半分で外を見る。

中途半端な時間にランチをしてしまったので、お腹が空いて早めにディナーをすることにした。夏の18時半はまだ外が明るい。夕暮れ時の『T.Y. Harbor』はとても綺麗で、何故か少し切なくなる。

美穂とショウヘイが出会ってから約1年経った。

最初はショウヘイの方が積極的だった。今時のオシャレ黒縁眼鏡をかけ、お食事会に遅刻して来た少し背の高いショウヘイに美穂は何の感情も無かった。ただ、背が高くて人の目を見て話さない人、としか覚えていない。

そんなショウヘイからお食事会終わりにもう一軒行こうと誘われ、気に入られた美穂はそれから何度か誘われた。しかしそこまで興味がなかったので、タイミングが合う時だけご飯や飲みに行った。この時はまだ、美穂はショウヘイを「友達以上になる候補リスト」に入れていた程度だ。

しかし3回目のデート位で、美穂は事態の大変さに気づくことになる。

良い感じにはなるものの、それ以上何もない。普通の男性だったらグイと来るのに、ショウヘイは何もして来ず、何ならこちらからのアクションを待っている。

ショウヘイが彼女は4年位いないと言っていたが、その理由がようやく分かった。彼がとんでもなく面倒なハリネズミ男だと言うことに、美穂は気付いてしまった。

彼女という存在を作る事を避けているのだ。

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